新しい株価指数「読売株価指数(読売333)」が算出開始!どんな指数なのか

雑記
この記事は約4分で読めます。

2025年3月24日、読売新聞社が新たに「読売株価指数(読売333)」の算出・公表を始めました。

初日は、前週末に同じ計算方法で算出した指数と比べて値下がりした3万5507円74銭となったそうです。

日本株の株価指数にはさまざまなものがありますが、代表的なものは東証株価指数(TOPIX)と日経平均株価(日経225)です。日本を代表する第3の指数になれるのか、先行きに注目しています。

この記事では、現時点で私がこの指数をどう見ているのかを簡単にまとめていきたいと思います。

スポンサーリンク

「等ウエート」が最大の特徴

「読売333」の最大の特徴はその算出方法にあります。具体的な選定フローは以下の通りです。

  • 国内上場の日本企業であること
  • 1日平均売買代金の上位500銘柄に入ること
  • その500銘柄から、浮動株時価総額(大株主による固定株を差し引いた時価総額)の上位333銘柄を採用
  • この333社を均等なウエートで構成(1社あたり約0.3%)

フローを図解するとこのようになります(プレスリリースより)

読売333の選定ルール

最大の特徴は「等ウエート型」で、ウエート調整の直後には333銘柄が均等に構成されます。浮動株時価総額を主に反映するTOPIXや、株価平均が基本となる日経225は一部の上位銘柄が指数の動きに与える影響が大きいのですが、「読売333」はそのような影響はありません。

また、算出頻度や銘柄入れ替えなどにも特徴があります。

  • 指数の更新は1日1回のみ
  • 銘柄の入れ替えは年1回(11月)
  • ウエイト調整は年4回(2月、5月、8月、11月)
  • 1985年11月を起点とし、当時を1万円とした指数

なお、銘柄入れ替えの際には激変を防ぐために銘柄入れ替え数に調整ルールが導入されるようです。

指数の算出は1日1回というのもTOPIXや日経225とは異なりますね。

投資対象として見た「読売333」の特徴

投資対象としての「読売333」には次のような特徴があります。

  • 中型株の値動きの影響が相対的に大きい

日本株であれば、時価総額上位100銘柄が大型株、ついで時価総額上位400銘柄が中型株に分類されることが多く、「読売333」の対象はこの大型株・中型株です。

大型株がすべて選ばれたとしても100銘柄ですので、全体の3分の2以上を中型株が占めることになります。等ウエートのため組入比率もこの比率が反映されます。

TOPIXは1,700銘柄に程度の銘柄に分散していますが、組み入れの基本ルールは時価総額加重平均です。上位50銘柄で構成比率が50%以上になり、全体としては大型株の中でも上位銘柄の値動きに左右されます。

  • 逆張り投資の傾向が強い

等ウエート投資は、株価が上がった銘柄を売り、下がった銘柄を買うことになる運用方法です。つまり、逆張り投資の傾向が強くなります。

順張りになる時価総額加重平均のTOPIXとは反対の特徴がありますね。

  • ウエート調整の際に売買が必要になる

指数の算出には関係ありませんが、「読売333」に連動する運用をしようとすると、年に4回のウエート調整の際にはそれなりの売買が生じます。調整の程度によっては取引コストがかさむ可能性があり、それがどのくらいになるのかは気になるところです。

ただ、売買は年に4回のみで、それ以外の期間は保有しっぱなしであるため、これはそれほど心配はないかもしれません。

普及するかどうかは未知数

等ウエート投資には、時価総額加重平均ポートフォリオにあるCAPM(資本資産価格モデル)のような理論的な背景があるわけではありませんが、時価総額加重平均のように一部の銘柄を多く保有することがありません。そのため、等ウエート投資には一定の人気があります。

例えばS&P500指数に含まれる銘柄に等ウエート投資をするS&P500均等ウエイト指数に連動する商品はそれなりに売れています。

理論的な背景はないとはいうものの、資産運用は長期に分散して運用することが重要です。あくまで日本株の中でというだけですが、「読売333」への長期投資はこの条件を満たすと個人的には思います。

運用においては、「どの銘柄を保有するか」だけでなく、「それぞれの銘柄をどれくらい保有するか」が非常に重要です。時価総額加重平均ではなく、幅広い企業に資金を分散させる運用方法を好む人には新たな選択肢ができました。

3月26日には、「eMAXIS Slim国内株式(読売333)」(信託報酬0.143%)で新規設定される見込みで、投資信託を利用して運用することもできます(プレスリリース)。現状では、NISAでは成長投資枠のみでの対応です。

日本株の株式指数でも、例えばJPX日経400指数やその他多くの指数がありますが、多くの人には認知すらされていないのが現状ですので、「読売333」は、まずは認知されるところがスタートではないかと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました