【2025年1月】全世界株式インデックスファンドのリターン比較とおすすめ【リターン・信託報酬・実質コスト・純資産総額の一覧】

証券会社・運用会社
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この記事は主要なインデックスファンドのリターンを比較するシリーズの「全世界株式」編です。NISAのつみたて投資枠対象の商品を取り扱っています。

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インデックスファンドのリターンは、「配当込み指数の動き」と「運用のコスト・誤差」によって決まります。同種のインデックスファンドであれば指数の動きは同じですので、運用のコストや誤差がなるべく小さいファンドが投資家にとって優れた商品ということになります。

そこで、この記事では、基準価額の推移をもとにこれまでの運用状況を比較しています。

最終的な損益を分析することで、見えないコスト面も含んだファンドの総合的な実力を知ることができます。

◆最近の更新
2025/01/15 2024年12月末の情報にて新規公開

全世界株式インデックスファンドには4種類の対象指数(ベンチマーク)があります。全世界株式指数が2種類と、そこから日本や米国を除いた指数です。

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MSCI ACWI(日本を含む)

MSCI ACWI(MSCI All Country World Index)は、米国MSCI社が算出している株価指数です。

指数は日本を含む47か国からなり、時価総額加重平均によって算出されています。大型株・中型株の約2,650銘柄からなり、投資可能な株式の約85%をカバーしています(2024年12月末時点)。

国別の構成比は次の通りで、米国が約3分の2を占めています

国名 構成比
米国 66.62%
日本 4.83%
英国 3.09%
中国 2.75%
カナダ 2.70%
その他 20.00%

MSCI ACWI(日本を含む)に連動するインデックスファンドは以下のとおりです。

なお、信託報酬は税込の実質の金額、純資産総額の単位は百万円。ファンドは、①信託報酬率が安い、②運用期間が長い(設定日が古い)順に並べています。また、緑色の欄は「前月末までの◯年間の総リターン」を示し、黄色の欄は過去5年における1年ごとのリターンを示しています。

名称 信託
報酬
実質
コスト
純資産
総額
前月までの長期リターン 過去5年における1年ごとのリターン 過去1年の
資金流入
(概算)
決算日 設定日 備考
過去
1年
過去
3年
過去
5年
過去
10年
過去
15年
過去
1年
1~2
年前
2~3
年前
3~4
年前
4~5
年前
楽天・プラス
オールカントリー株式
0.05610% 0.296% 282,205 32.38% 32.38% 206,261 2024/07/16 2023/10/27
eMAXIS Slim 全世界株式
(オール・カントリー)
0.05775% 0.131% 5,099,463 32.48% 63.14% 135.91% 32.48% 30.42% -5.58% 32.71% 8.96% 2,475,102 2024/04/25 2018/10/31 信託報酬は純資産総額5000億円以上の部分が0.0524%、1兆円以上の部分が0.0523%
Tracers MSCI
オール・カントリー
0.05775% 0.139% 5,577 32.58% 32.58% 2,590 2024/05/16 2023/04/26 実質コストは概算。信託報酬のほか諸費用は最大0.03%
はじめてのNISA・全世界株式
(オール・カントリー)
0.05775% 0.082% 45,403 32.53% 32.53% 33,124 2024/06/03 2023/07/10 実質コストは概算
ステート・ストリート
全世界株式
0.07480% 未決算 14 2024/12/02 2024/01/11
たわらノーロード
全世界株式
0.11330% 0.162% 89,013 32.32% 62.79% 134.64% 32.32% 30.40% -5.66% 32.57% 8.73% 58,026 2024/10/15 2019/07/22
Smart-i Select
全世界株式
0.11440% 0.180% 8,204 32.37% 32.37% 30.33% 5,223 2024/02/15 2022/04/27
つみたて
全世界株式
0.19800% 0.265% 59,017 32.14% 62.21% 32.14% 30.13% -5.67% 32.42% 41,451 2024/06/25 2020/03/06
マネーフォワード
全世界株式
0.29700% 0.409% 471 29.38% 29.38% 310 2024/10/25 2023/01/18 信託報酬・実質コストに原資産経費率約0.0858%(年率)含む
ステート・ストリート
全世界株式
0.52800% 0.597% 27,262 31.85% 61.28% 132.01% 31.85% 29.96% -5.88% 32.30% 8.73% 7,690 2024/12/02 2017/09/08

直近1年間のリターン(緑色の欄の一番左)では、2022年1月以来、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」が26回、「Tracers MSCIオール・カントリー」が8回、「たわらノーロード全世界株式」と「Smart-i Select 全世界株式」が2回トップを取っています。

最も資金流入が大きいのは「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」ですが、リターンでは「Tracers MSCIオール・カントリー」「はじめてのNISA・全世界株式(オール・カントリー)」も好成績です。

現状では、私は「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」が最もよい選択肢だと思いますが、これらのファンドにも注目しています。楽天証券ユーザーなら「楽天・オールカントリー株式」もありですね。

◆「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」関連の記事

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
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楽天・オールカントリー
「楽天・オールカントリー」の記事一覧です。

FTSE Global All Cap Index

FTSE Global All Cap Indexは、英国FTSE Russell社が提供する指数です。

日本を含む48か国が含まれる時価総額加重平均の株価指数です。構成銘柄数は約10,000銘柄で、小型株も含まれるところがMSCI ACWIと異なり、時価総額で95%以上をカバーしています(2024年12月末時点)。

国別の構成比は次の通りで、こちらも米国が65%近くを占めています。上位5か国の顔ぶれと比率はMSCI ACWIと大差ありません。

国名 構成比
米国 64.68%
日本 5.65%
英国 3.34%
中国 2.91%
カナダ 2.69%
その他 20.37%

全世界株式ETFで広く知られている米国バンガード社のETF、VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)はこの指数を採用しています。

名称 信託
報酬
実質
コスト
純資産
総額
前月までの長期リターン 過去5年における1年ごとのリターン 過去1年の
資金流入
(概算)
決算日 設定日 備考
過去
1年
過去
3年
過去
5年
過去
10年
過去
15年
過去
1年
1~2
年前
2~3
年前
3~4
年前
4~5
年前
PayPay投資信託
世界株式
0.09110% 1.384% 264 29.89% 29.89% 147 2024/07/16 2023/06/28 信託報酬・実質コストに原資産経費率約0.042%(年率)含む
SBI
全世界株式(雪だるま)
0.10220% 0.120% 249,135 30.37% 59.93% 128.62% 30.37% 29.45% -5.24% 31.32% 8.86% 71,115 2024/11/12 2017/12/06 信託報酬・実質コストに原資産経費率約0.042%(年率)含む
SBI・V
全世界株式
0.13380% 0.151% 51,093 30.65% 30.65% 29.38% 13,448 2024/01/29 2022/01/28 信託報酬・実質コストに原資産経費率約0.07%(年率)含む
楽天
全世界株式
0.19100% 0.220% 574,165 30.71% 59.27% 128.94% 30.71% 29.31% -5.77% 31.97% 8.92% 140,598 2024/07/18 2017/09/29 信託報酬と実質コストに原資産経費率約0.067%(年率)含む

直近1年のリターンでは、2022年1月以来、「SBI・全世界株式(雪だるま)」が24回、「楽天・全世界株式」が11回、「SBI・V・全世界株式」が4回トップを取っています。信託報酬は高いのですが、「楽天・全世界株式」への資金流入が大きい状況が続いています。

「楽天・全世界株式」と「SBI・V・全世界株式」はマザーファンドを通じて米国バンガードのVT(あるいは米国株のVTI+米国以外のVXUS)を中心に購入しているのに対して、「SBI・全世界株式(雪だるま)」は3種のETFを組み合わせて、指数へのある程度の連動をめざす運用方式です。この運用方法の違いがリターンの差を生んでいると推定されます。

「SBI・全世界株式(雪だるま)」のほうがリターンが良いことも多いですが、運用方法を踏まえると、「楽天・全世界株式」と「SBI・V・全世界株式」のほうが指数への連動性では優位といえるでしょう。

MSCI ACWI(日本を除く)

続いて、前述のMSCI ACWIから日本を除いた46か国から構成される、MSCI ACWIの「日本を除く指数」のファンドの比較です。

日本は構成比としては2番めですが、比率は5%程度です。そのため日本を含む指数とのリターン差はそれほど大きくありません。

名称 信託
報酬
実質
コスト
純資産
総額
前月までの長期リターン 過去5年における1年ごとのリターン 過去1年の
資金流入
(概算)
決算日 設定日 備考
過去
1年
過去
3年
過去
5年
過去
10年
過去
15年
過去
1年
1~2
年前
2~3
年前
3~4
年前
4~5
年前
eMAXIS Slim
全世界株式(除く日本)
0.05775% 0.135% 639,996 33.12% 63.98% 139.66% 33.12% 30.54% -5.64% 34.10% 8.99% 211,639 2024/04/25 2018/03/19 信託報酬は純資産総額2500億円以上の部分が0.0524%、5000億円以上の部分が0.0523%
Smart-i Select
全世界株式(除く日本)
0.11440% 0.182% 2,549 33.00% 33.00% 30.42% 1,478 2024/02/15 2022/04/27 実質コストは概算
野村つみたて
外国株投信
0.20900% 0.232% 176,405 32.96% 63.53% 138.88% 32.96% 30.44% -5.71% 34.01% 9.00% 46,566 2024/05/13 2017/10/02
三井住友・DCつみたてNISA
全海外株
0.27500% 0.349% 293,066 32.78% 62.96% 136.91% 215.77% 32.78% 30.24% -5.76% 33.60% 8.81% 79,015 2024/12/02 2011/04/18
eMAXIS
全世界株式
0.66000% 0.716% 65,606 32.33% 61.22% 133.11% 208.95% 32.33% 29.83% -6.16% 33.38% 8.41% 22,204 2024/01/26 2010/07/20

直近1年間のリターンでは、2022年1月以来、「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」が34回、「野村つみたて外国株投信」と「Smart-i Select 全世界株式(除く日本)」が1回トップを取っています。

また、1年ごとのリターンをみても、「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」の運用状況は良好でした。資金流入でも、「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」が多くの資金を集めています。

これらのファンドのなかでは「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」を選ぶのがよいでしょう。

eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」の信託報酬は2023年9月に引き下げられ、同種ファンドの中では単独で最安になりました。

なお、信託報酬が最も高い「eMAXIS全世界株式」も三菱UFJアセットマネジメントが運用しており、マザーファンドを共有しています。5年間の運用結果で約5ポイント前後の差がついているという事実は、インデックスファンドは「高かろう悪かろう」の状態で、低コストな商品を選択することの重要性がはっきり示されています。

FTSE Global All Cap Index(米国を除く)

FTSE Global All Cap Indexの「米国を除く指数」に連動するファンドが2022年12月に設定されました。

全体の大半を占める米国を除いているので、米国を含むFTSE Global All Cap Indexとはまったく別物です。

名称 信託
報酬
実質
コスト
純資産
総額
前月までの長期リターン 過去5年における1年ごとのリターン 過去1年の
資金流入
(概算)
決算日 設定日 備考
過去
1年
過去
3年
過去
5年
過去
10年
過去
15年
過去
1年
1~2
年前
2~3
年前
3~4
年前
4~5
年前
楽天
全世界株式(除く米国)
0.21200% 0.240% 2,583 17.46% 17.46% 22.21% 937 2024/07/16 2022/12/22 信託報酬・実質コストに原資産経費率約0.07%(年率)含む

利用機会としては、ポートフォリオ全体が米国偏重になっているときに、それを全世界の時価総額比率に調整する場合などが考えられます。

米国株比率を下げるのに使える「楽天・全世界株式(除く米国」(楽天VXUS)が運用開始! つみたてNISAでも買える
2022年12月22日、すでに発表されていた「楽天・全世界株式(除く米国)インデックス・ファンド」(楽天VXUS)の運用が開始されました。同日からつみたてNISA対象ファンドの仲間...

1本を選ぶなら「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」

全世界株式インデックスファンドのなかで1つのファンドだけを選ぶなら、最も純資産総額が大きく、かつ運用も問題なく行われていると考えられる「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」がよいと思います。

MSCI ACWIとFTSE Global All Cap Indexは組み入れる銘柄数に約3倍の差があり、これは時価総額にして10%程度が異なります。おもに小型株の有無が異なるため、小型株の運用成績が大・中型株を上回ればFTSEのほうが好成績となり、逆に大・中型株が小型株を上回ればなればMSCIのほうが好成績になるといえます。

ですが、劇的な差は生まれることはなく、上のリターン表で比べても両指数の値動きには大差ありません。

もし、小型株も含めてより多くの銘柄に分散することに魅力を感じるなら、「楽天・全世界株式」や「SBI・V・全世界株式」を選ぶのもありでしょう。また、日本の個別株や日本株の投資信託を持っている人は、「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」などの日本を除く全世界株式を選ぶのもよいと思います。

◆米国株式や先進国株式など、その他の指数に連動するファンドの比較はこちらから!

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