ときどき話題になる「インデックス運用の終わり方」について、私の考え方に近いと感じた記事があったので紹介します。終わり方というか、人生の「後半戦」での戦略という感じですね。
セゾン投信の中野会長の日経電子版への連載コラムで、「世代をつなぐ100年長期投資リレーの可能性」というタイトルです。要約すれば、「老後も余裕資金を運用し続けて、それを次世代につないでいく」という考え方です。
相続で「資産の寿命」はずっと長くなる
これは持っている私の老後の「資産の寿命」を延ばす目的とともに、次の世代へより多くを残していきたいからです。こうしていくことで私が作った「資産の寿命」は私がいなくなったあとも続きます。
少なくとも、親からもらった分にいくらか上乗せして次につながられればいいなと思っています。
紹介した記事では、投資信託の相続について触れられています。
親世代の長期投資は本人があの世にいった後も、本当にエンドレスで実践することが可能になる。つまり子が相続する投資信託は、親から子へ名義変更することで現金化せず投信のまま相続財産として受け取ることが可能なのだ。親の長期投資の成果をまるでバトンを受け取るがごとく子は引き継いで、次の長期投資の道を走り出すことができるわけだ。
もちろん、相続の際には各種の税金が発生しますので、投資信託という資産の形で相続することに特別なメリットはありません。ただ、次の世代に残す分は運用しっぱなしにして「長期投資」そのものを受け継いでいくのはわかりやすい方法かと思います。
たとえば不動産では、先祖代々からの土地を受け継いで収益を得ているような人がいますよね。これはそれを金融資産に置き換えた考え方です。企業の活動が経済の中心である限り、株に投資する投資信託を受け継いでいくことは合理的だと思います。
そして運用期間が長くなればなるほどリターンは大きくなっていくでしょう。自分で見ることはできないですが、楽しみではないでしょうか。
あわせて、次の世代がきちんと運用を続けられるように必要な知識を伝えておく必要がありますね。これも資産家は代々やってきたことでしょう。
なお、同じ要領で生前に投資信託を贈与していくこともできます。が、贈与は相続税よりも税率が高く、非課税の枠も大きくはないので、わざわざ手続きの手間をかけるのはあまり魅力的ではないかもしれません。また、楽天証券のウェブサイトをみると1回ごとに手数料もかかるようです。
次の世代にとって一番良い受け渡し方を
ただし、相続の場合だけ考えればよいのかという話になると、少し話は変わってくると思います。
たとえば私が80代で亡くなったとしたら、相続される世代は50代くらいでしょう。人生の折り返し地点は過ぎており、ある意味、人生における選択はほぼ終えています。
ある程度のまとまった資産を残してあげることは大切ですが、次の世代の若い段階でお金を使ってあげる「投資」のほうが受け取る側にとっては重要かもしれません。教育などの直接的な投資もあれば、もっと情緒的な経験の機会を与えることもあるでしょう。次の世代にとって何が一番良いのか、バランスを考えていく必要もありそうです。
まだ次の世代がいないのでなんとも言いづらいですが、私は結構「投資」に使ってしまいそうです。子どもには金がかかるとは言いますが、自分の歴史に続くと考えるとそうしたくなるのはよくわかります。
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