投資の原則としての「長期・分散・低コスト」と手段としての積立投資

211015投資の原則としての「長期・分散・低コスト」と手段としての積立投資 インデックス投資
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楽天証券のオウンドメディア「トウシル」に,経済評論家の山崎元さんが寄稿しています。『投資の3原則は「長期・分散・低コスト」,積立投資はどうか?』という記事です。

この記事では,「投資とはなにか?」という問いへの答えが提示され,それに基づいて投資の3原則が解説されています。

「長期・分散・低コスト」が重要な理由が端的にまとめられていて,そこに「積立」は入らない根拠もとてもわかりやすかったです!

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投資の利益の源泉はなにか?

「投資とはなにか?」という点について,山崎さんは「リスク・プレミアムのコレクション」と答えています。

投資は,自分のお金を「資本として」経済活動に参加させて利益を得る行為なのだが,その過程で資本に対して形成される価格に「リスク・プレミアム」が織り込まれることが,無リスクの預金などの資産よりも高いリターンが得られる源泉だ。

理解が難しいのは,よく言われるような「企業の成長」や「経済の成長」が株式投資のリターンとは必ずしも直結していないというところです。仮に,どの株でもリスク・プレミアムが等しく,適正価格がついているとすれば,企業や経済の成長の有無にかかわらず期待リターンは同じになります。

 

ただ,直観的には,縮小する企業・経済からリターンを得られるイメージはしづらいですよね。投資先の成長の度合いと,その株を「いくらで買うか」の両方が重要ということがわかればまずは十分だと思います。

 

実際には価格が適切かどうかを推定するのは簡単ではありません。ただ,成長株と非成長株(高配当株)に長期的にはそれほどリターンの差がないことから,おおむね適切に価格形成はされているのではないでしょうか。

投資の3原則は「長期・分散・低コスト」

さて,これをふまえて,記事ではリスク・プレミアムをより多く得る方法として次の3つが挙げられていました。

  • 長期投資をする
  • 分散投資をする
  • 低コストな方法をとる

投資のリスク・プレミアムはプラスです。ただし,リターンは短期的には大きなぶれがあります。そのため,本来のリスク・プレミアムが実現されるには,長期に投資していく必要があります

また,プラスのリターンを期待できるものは,長く持っていれば持っているほど収益は拡大していくので長期投資には意義があります。

分散投資の意義は,個々の銘柄が持つ個別的な値動きのリスクを軽減することです。理論的には,分散投資で軽減できるリスクにはリスク・プレミアムが乗りません。分散投資はリスクに対するリターンの効率を高めることに役割を果たします。

リスクを軽減できることで,理屈としてはより多くの金額を投資に回すことが許容されることにもなります。

「低コスト」がリターンに及ぼす影響は言わずもがなです。最終的なリターンは,投資先から得られた総リターンからコストを差し引いたものです。よって,コストが低いほうが投資家にとってのリターンは大きくなります

積立投資は方法として有用

一方で,投資の原則について書かれた記事では,「低コスト」の代わりに「積立投資」を入れたパターンもよく見かけます。

しかし,積立投資はリスク・プレミアムを増やしたり,実現しやすくしたりする方法ではありません。つまり,投資収益を拡大する手法ではないのです。

スタート時の貯蓄が少なく,定期的に収入を得ている私のような投資家にとっては,貯蓄や投資を習慣化していくために優れている「やり方」というのが評価できる点でしょう。

ただ,投資におけるリスク・プレミアムは一定とは限らず,価格形成も必ずしも合理的な理由だけでおこるわけではありません。

積立投資は,なにかの突発事態が起こって,通常よりもリスク・プレミアムが拡大して価格が異常に低く形成されたときに多くを購入できるという利点はありそうです。そうすると,同じ期間に同じ金額を投資するよりも,多くのリスク・プレミアムを集められるとも考えられるのではないでしょうか。

いずれにせよ積立投資が不利というわけではありませんので,元手がない人は毎月の収入の一部を投資に回していきましょう。

Twitterのプロフィールにもあるように,私は「長期・分散・低コスト」の投資をこれまで積立投資で実践してきました。これからも継続していきます。

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