本日はある日の夜の家族のうなぎんとの会話が題材です。
わが家にはインデックス投資の本を中心に資産形成の入門書から定番書までが本棚に置かれています。うなぎんはしばしば取り出して読んでいるようで,ときどきするどい質問をしてきます。
「老後資金,この積み立て計画だと余るよね?」
私はつみたてNISA+iDeCoで年間67万円をインデックスファンドで積み立てているよね。これは老後の資金になる。30年間続けていれば2000万円だ。なまずんの分も考えればこの2倍になる。
そうですね!
これは投資金額(拠出金額)の話で,取り崩すころには増えている可能性が高いってことでしょう? 減る可能性もあるけどね。
そう。過去のデータによれば,積み立てで30年も継続していれば元本を割り込むことはまずないといえる。
それなら老後資金はそれだけで十分……というより余るよね? こんなにいらないのでは?
20代の老後資金の準備はつみたてNISAとiDeCoでほぼ十分
近年は長期で資産形成を後押しする制度が整ってきたことで,資産形成を本当に進めやすくなりました。
以下の記事に書いたように,20代から準備を始めるならば,つみたてNISAとiDeCoだけで老後資金に関する問題はほぼ解消できると私も考えています。
では,それを上回る金額を投資・貯蓄にまわしておくことに意味はないのでしょうか?
なるべく早く,多くの金額を投資するメリット
計画的に準備することは大切ですが,さらに前倒しで積み上げていくことには大きなメリットがあります。その理由は主に3つあります。
不確実な将来への備えとなる
収支の環境はいとも簡単に変わってしまうことがあります。
いまのところ私たちは家計に余裕があります。それは共働きかつ,それなりの待遇の仕事があり,子どもや両親,親族を扶養する必要もないというバランスの上に成り立っているものです。
独身で実家暮らしの人もたくさんいるでしょうね。大きな支出が少なく,出費をコントロールしやすい人も20代には多いでしょう。
しかし,ここに減給や失職,子育て・介護などの事情がいくつか起これば,年間40万円のつみたてNISAの枠を埋めることが難しくなるかもしれません。こうなると,あとから巻き返すのは難しいかもしれません。将来はどうなるかわからない以上,できるならば前倒しで準備しておきたいものです。
運用するうえで有利になる
単純化すれば,投資のリターンは「元本の大きさ ✕ 年間の収益率 ✕ 投資期間」で決まります。
このうち「年間の収益率」は自分でコントロールできません。株・債券・不動産・預貯金などの資産によってこの数字は異なり,その中から選ぶことができるくらいです。リスクが高い資産のなかには高い収益率を期待できるものもありますが,ここで無理をすると元本割れを起こす可能性も高くなります。
そのため,収益額を大きくするには,元本を大きくすることと,投資期間を長くすることの2つが有効な方法です。言い換えれば,人生の早い段階でなるべく多くの資金を投資に回しておく必要があるということになります。
株価などは短期では大きく動くものの長期では平均的な水準に回帰することも,長期で運用することの利点になります。
増えたお金で時間を買える
お金は増やすことばかりが目標ではなく,限りある人生のなかで効果的に使ってこそ意味があります。早い時期から多くの金額を積み立てれば,それだけ早く退職できる状態に持っていくことができます。
お金を使うことの効用についてはいろいろな意見がありますが,私がとくに注目しているのは「時間と交換できる」ということです。等価交換ではないにせよ,時間とお金はある程度は引き換えの関係にあります。
たとえば,十分な資産があれば仕事に時間を費やす必要はなくなります。単に嫌な仕事を無理して続けているような場合だけでなく,仕事を続けたくても何らかの事情で時間を割けなくなることもあります。その際にスパッと判断できる状況を作っておけば悩みは減るでしょう。
少額で考えても,1キロメートル離れた目的地に行くには,歩くよりも自転車を買ったほうが早く到着できます。よりお金を使ってタクシーに乗れば移動時間も別のことのために使うことができます。
少しずつ前倒しで準備する意識で取り組もう
1社に勤め上げて年功序列型に給与をもらうような将来設計を考えている若手はもういないでしょう。労働によって収入を上げるならば実績やキャリアを重ねる必要があり,副業で収入を得るにはそのためのスキルを持つ必要があるというのはすでに常識です。
それに加えて,将来を見据えた資金づくりのために投資をすることも常識になってきました。インデックス投資は時間と元手さえあれば,手間をかけずに一定の成果を見込めるという点で,多くの人にとって取り入れやすい方法です。
余剰資金を作り,早い段階から投資に取り組むことには大きなメリットがあります。いま一度収支を見直して,より多くの金額を投資できるなら少しずつ前倒しで進めていくことを考えてはいかがでしょうか。
確かにいまは貯め時でもあるよね。欲しいものを我慢しているわけでもないし,投資に回しておこうか。
続けることが大事だから,無理のない範囲でやっていこう。いまのところ年間250万円以上を投資に回しています。
◆うなぎんが読んでいる本です。例がたくさん載っていて考え方をつかみやすいです。
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