10月6日に楽天証券から以下のようなメールが来ました。重要なことは2回言う感じですね。
NISA口座の非課税投資期間は5年なので、NISA口座を開設して5年以上経っている人にだけメールが届きます。届くのは一般NISAの人だけで、つみたてNISAには関係のない話です。
5年間運用したNISA口座の処遇
NISA口座での運用の終え方には3つのパターンがあります。NISA口座で運用している多くの人はすでにご存知だと思いますが、選び方について私の考えも簡潔にまとめてみました。ご存知の方は次の見出しまで飛ばしてください。
保有商品を課税口座に移す
1つめは、非課税投資できる5年間を目一杯使ったあと、課税口座である特定口座へ保有商品をそのまま移行すること。
今年の場合は2018年買付分がこれにあたりますので、このパターンを選んだときは「2018年にNISA口座で買った商品を2022年末時点の基準価額で全て売却し、全く同じ金額を特定口座で購入」するのと同じ処理がなされます。
つまり、ある投信Aに2018年にNISA口座で120万円投資して、それが2022年末に140万円になっていたら、移行後の特定口座には投信Aが140万円分入ることになります。含み益20万円は課税されずに実現され、含み益ゼロの状態になります。
これを選ぶ場合ですが、たとえば、2023年からは新たにつみたてNISAで運用を始めたい人は、これまで運用してきた分は特定口座に一旦移しておくのがよいと思います。
保有商品をロールオーバーをする
2つめは、NISA口座の中身をそのまま翌年のNISA口座へ移行すること。
今年の場合では、2018年買付分を2023年のNISA枠に充当することになり、これがロールオーバーといわれます。ロールオーバーすると特定口座に移すときと同様に「全売却→全購入」と同じ処理がなされ、取得価額はロールオーバー時点のものに更新されます。その分、2023年の非課税枠が使われます。
たとえば、ある投信Aを2018年に60万円買っており、それが2022年末に70万円になっていた場合、2023年のNISAの枠はロールオーバーした70万円分はすでに使われた状態となり、残り50万円分を2023年中に追加投資できます。
ただ、例外としてロールオーバー時点の評価額が120万円を超えていた場合には、120万円の枠を超えてその全額をロールオーバーすることができます。たとえば、投信Aを2018年に120万円買っていて、それが2022年末に140万円になっていた場合は、2023年のNISA口座には140万円投資した状態になります。当然、その場合は2023年に追加投資できません。また、このときも取得価額はロールオーバーした時点の基準価額になります。
基本的に、一般NISA口座を継続して使う場合はロールオーバーを選んで良いと思います。とくに、運用終了時の評価額が120万円を超えている場合は、非課税枠をより有利に使えるのでロールオーバーを選んだほうがよい場合が多いでしょう。
保有商品を売却する
3つめは、NISA口座の中身を自分で売却すること。
これはNISA口座の商品を普通に売却する場合です。すべてを売却すればその買付年のNISAでの運用は終わりとなります。一部を残した場合は、5年経過後に上記の2パターン、つまり特定口座に移すかロールオーバーするかを選択します。
一般NISAでの運用を継続する場合も、例えばより低コストな投信が登場した場合など、一度売却して別の投信を購入したいときには自分で売却する必要があります。
2018年買付分はロールオーバーを選択
NISA口座を利用した運用状況は次のとおりです。
2018年は約120万円を投資しており、2022年10月8日時点では約50万円の評価益になっています。年末までにどうなるかはわかりませんが、さすがにプラスで終えそうですよね。
ここから-30%を食らってマイナスになる可能性だってありますけれど。なお、2018年の元本が120万円になっていないのは積立設定をちょっとミスっていたのでしょう……(笑)。
前述のように、NISA口座での評価額が120万円を超えている場合は、基本的にはロールオーバーを選んだほうが良い選択だと私は考えています。ロールオーバーすると翌年の投資枠はなくなってしまいますが、実質的に120万円以上の元本を非課税で運用できる状況になるからです。
このままいけば、2023年のNISA枠には約170万円が元本として突っ込んで運用できますね!
迷うのは120万円に達しない場合で、この場合でも通常はロールオーバーしてよいと思います。私は2017年分は一度はロールオーバーをすると決めたのですが、信託報酬の高い古い商品が含まれていたりしたので、結局はロールオーバーをやめました。
余談ですが、NISA口座では毎月10万円を積み立てているはずなのに2022年の累計が5万円足りません。原因不明ですが、7月に5万円分がなぜか買い付けられていませんでした。いまから何かを5万円分を買い付けたいと思います。
◆2014年のNISA導入までの金融税制の大まかな歴史をまとめてみました。
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