前回の記事では、現在、議論が進んでいる恒久的な非課税枠のある新しいNISA制度(恒久NISA)に、含み益がある特定口座の投資信託を移行すべきかどうかを検討しました。
結論をいえば、現在の含み益の大小にかかわらず、特定口座の投信を売却して恒久NISAに移したほうがよいということになります。
ただ、恒久NISAに移行後、基準価額が下落して運用を終了する場合には、本来よりも多く税金を支払ってしまうことになります。つまり、そのような将来を考えるなら移行しないほうが得ということになります。
が、長期的にみれば、私が積み立てている株式インデックスファンドは長期的にはプラスになることが考えられます。長期運用を考えているなら、含み益のある投信は基本的には早めに恒久NISAに移行するほうが適切です。
この記事では、「それでは、現在含み損の場合には移行したほうがよいのか?」を考えています。
含み損の場合に移行すべきかどうかは元本以上になるかどうか
含み損の投信を移行すべきかどうかですが、検討は以下の2つの場合にわかれます。
- 現在含み損で、将来も当初の基準価額に戻らず損失のまま終わる
- 現在含み損で、将来には当初の基準価額を超え、利益が出て終わる
1つ目の場合はどちらの口座でも結果は同じです。移行するときも、最終的な売却時もそもそも税金が発生しないためです。
そして2つ目の場合は、恒久NISA口座に移行したほうがよいです。特定口座のままなら最終的に課税されますが、恒久NISA口座に移行する場合は移行時に税金がかからず(損なので)、売却時にも非課税口座なので税金がかかりません。
つまり、「購入時の基準価格をそのうち超える」と思うなら、切り替えてしまったほうがいいでしょう。
含み益の投信と含み損の投信、移行する優先順位は?
さて、ここまで、特定口座で保有する投信について4つの場合を考えてきました。
- 移行検討時点で含み益、その後基準価額が上昇する
→恒久NISAに移行する - 移行検討時点で含み益、その後基準価額が下落する
→恒久NISAに移行しない - 移行検討時点で含み損、その後基準価額が購入時点を上回る
→恒久NISAに移行する - 移行検討時点で含み損、その後基準価額が購入時点を下回る
→恒久NISAに移行しない
2つ目と4つ目は、将来に基準価額が下落する見通しのものはそもそも投資として成立していませんが、仮にやるとしても恒久NISAに入れるべきではありません。
株式インデックスファンドのような期待値がプラスの資産に投資する以上、長期運用を考えていれば普通は1つ目か3つ目に該当します。
そこで、「移行検討時点で含み益」の投信と、「移行検討時点で含み損」の投信のどちらを優先して移行すべきかの検討が必要になりますが、この解は直観的には両方を持っている場合はなるべく売却益を売却損で相殺するのがよい方法でしょうか(両方の投信の将来の騰落率が同じだと仮定して)。
今日は時間がなくなってしまったので、後日考えてみたいと思います。
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