恒久NISAが始まったら特定口座の投資信託を移行すべきか?

221214恒久NISAが始まったら特定口座の投資信託を移行すべきか? NISA・つみたてNISA
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本記事にはアップデート版があります。以下の2記事をご覧ください。
特定口座の投資信託を売却して新NISAに移すべきか(1)投資する金額が1800万円未満の場合
いよいよ、2024年1月から「新しいNISA」(新NISA)が始まります。新NISAは年間投資可能額360万円、生涯投資枠1800万円の大きな非課税枠が魅力的な制度で、利益に対する...
特定口座の投資信託を売却して新NISAに移すべきか(2)投資する金額が1800万円以上の場合
この記事では、現在特定口座で投資信託を持っている人が、2024年から始まる「新しいNISA」(新NISA)の枠をどう使っていくのがよいのかの検討結果をまとめています。 全2回に分け...

導入に向けた議論が進行中の「恒久的な非課税枠がある新しいNISA制度」(以下、恒久NISA)。まだ制度に関する確定的な情報は出ていませんが、大枠が固まってきたようです。

後述しますが、それによると年間の投資枠は最大360万円、つみたて型は年間120万円となる方向で議論が進んでいる様子です。この枠を毎年、新規投資分で埋めていくのは難しい人が多いと思います。

もちろん、そもそも全部使い切らなければならないわけではありませんが。

そこで、いま課税口座(特定口座など)で投資している投資信託も、恒久NISAに移行したほうが良いのかどうかという疑問を持ちました。タイトルの通りのツイートをしたところ、たくさんのリプライや引用RTで有用な情報をいただき、ありがとうございました。

ここでは、議論されている恒久NISA制度に関する概略と、それを前提に、ツイートのように特定口座で保有している投信を買い直すべきかどうかの検討についてまとめます。

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恒久NISAの議論の状況

恒久NISAの制度はまだ固まったわけではありませんが、おもな論点は次のような方向になっています。いずれも報道による情報です。

  • 2024年からの制度導入を予定
  • 非課税期間は無期限
  • つみたてNISAや一般NISAとは別制度
    →2023年までのつみたてNISAや一般NISAの非課税枠と、後述の恒久NISAの生涯通算の投資枠は通算されない。
  • 年間投資枠は最大360万円
    →そのうち、つみたて型が年間120万円、成長投資枠(仮)が240万円
    →対象商品は未定だが、つみたて型は投資信託、成長投資枠は国内外の上場株にも投資できる見込み。
  • 生涯通算の投資枠は1800万円
    →そのうち1200万円が成長投資枠。報道によって差がある。
    →投資枠は時価ではなく購入時の価格で評価
    →売却した場合、生涯通算の投資枠はその分復活する。

そしてこれは完全に予測ですが、「恒久NISAのつみたて型部分」は現在のつみたてNISAに、「恒久NISAの成長投資枠部分」は現在の一般NISAに対応するものと思われます。

ですので、私は現在のつみたてNISA対象商品は恒久NISAのどの枠でも買えると予想していますが、実際はどうなるでしょうか。そうなると、たとえば年間360万円の枠をつみたてNISA対象の投資信託ですべて埋められて、最短5年で生涯通算の投資枠1800万円も埋められることになります。

含み益の大小にかかわらず、恒久NISAに早く移行するのがよい

さて、この恒久NISAが始まった場合の運用方法を考えていきましょう。

今回は私のように、①購入する商品はすべて分配金なしで販売手数料・売却時手数料なしのインデックスファンド、②すでに投資した分は含み益が出ている状態、③将来、ファンドを売却する時期には含み益が出ているという例で考えていきます。

執筆時点では、インデックスファンドを定期積立している人は、ごく一部を除いて①と②は同じ状態のはずです。③も長期運用すればほぼ確実でしょう。

結論からいえば、恒久NISAが始まったときの対応は次のやり方が原則です。

  • 2024年以降に投資する分
    →恒久NISAを利用して買う(枠が足りなければその分を課税口座(特定口座など)に)
  • 2023年までに一般NISA、つみたてNISAで投資した分
    →非課税期間が切れるまでそのまま運用
  • 2023年までに課税口座で投資した分
    →恒久NISAの枠が余っていれば、売却して恒久NISAで買い直し

2024年以降に投資する分については、売却時に収益が上がることが想定するなら、恒久NISAを使わずに課税口座で買うべき理由がありません。

2023年までに一般NISAとつみたてNISAで投資した分は、売却するとそれ以降の非課税運用期間がむだになってしまうので、期限いっぱいまで運用するのがよいでしょう。

問題は最も下の課税口座で投資してきた分で、これがこの記事のポイントです。

「売却して課税されても、その後、非課税で運用できる恒久NISAに移動したほうがよいか」「課税の繰り延べを期待して課税口座でそのまま運用すべきか」の判断は直観的には難しい問題です。

ですが、相互フォロワーの縞縞猫さんがその結論を出してくれました。

結論の部分からAが漏れていますが、結果には影響ありません。とはいえ文字が多くいのはニガテ……という人のために要点をまとめます。

  • 課税口座の投信を売却して、恒久NISAで買い直すほうが有利
    →元本は大きいほど有利
    →将来の価格上昇が大きいほど有利
    →税率が高いほど有利
  • 現在の含み益の大きさとは一切関係ない
  • これまでの運用期間やこれからの運用期間は直接の関係はない
    →ただし、将来の価格上昇と運用期間には関係がある

直観的に意外なのは、「現在の含み益の大きさには一切関係なく、これまで・これからの運用期間とも直接の関係はない」というところでしょうか。言い換えれば、税金を繰り延べる効果より、今後の税金を帳消しにできるほうが効果が大きいということです。

なお、運用期間については、恒久NISAに移したあとに短期間しか運用せず、評価損の状態で運用終了になった場合は、買い直しの際に支払った税金の一部を損する結果になります。ですので、移行すべき条件の前提には、移行後に含み益が出る必要があります。

ここまでをまとめると、課税口座に資産があるなら、原理的にはそれも使って恒久NISAの枠をなるべく早く埋めるのが基本的な立ち回りになりそうです。ただ、高値づかみをするのは精神的に嫌なところもありますから、適宜、「時間分散」をはかってもよいでしょう。

ちなみに、税率の話は「課税口座で保有し続ける場合と、買い直す場合」を比べただけで、当然最終的なリターンは税率が低いほうが大きくなります。

この移行はこれまでの含み益は関係ないのは朗報です。恒久NISAは、「昔に買った信託報酬が高い投資信託」を処分するうってつけの機会とも言えそうですね。

短期間で生涯通算の投資枠を使い切る戦略を軸に検討中

わが家は執筆時点で、夫婦の年間投資額が504万円。2022年にはそのうち42万円をiDeCoで運用していますので、NISA・つみたてNISA・特定口座に合計462万円を投じています。つまり、いまは非課税投資枠が足りずに課税口座でも買っている状態です。でも、恒久NISAで年間投資枠が2人合計で720万円にもし増えたら、今度は枠がかなり余る計算になります。

具体的には制度が固まってから考えますが、基本的には「新規投資分+特定口座で運用してきた投資信託の売却」で年間720万円を恒久NISAに投じて、短期間で生涯通算の非課税投資枠を使い切ってしまう方法を軸に検討を加速するつもりです。

◆含み損の投信は移行すべきかどうかも検討しました。こちらは数式を使わずともシンプルに判断できます。

恒久NISAが始まったら特定口座の投資信託を移行すべきか?(2)含み損の場合には……
本記事にはアップデート版があります。以下の2記事をご覧ください。 前回の記事では、現在、議論が進んでいる恒久的な非課税枠のある新しいNISA制度(恒久NISA)に、含み益がある特定...

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