「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year(FOY)2019」に投票しました。本記事は投票の報告を兼ねた投稿です。
FOYは,投信ブロガーがファンドを評価する年に1回のイベントです。2007年から開催され,今年で13回目を迎えました。2017年11月にブログを開設した私は,FOY2018に引き続き,2回めの投票となりました。
「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2019」とは?
公式ページによると,企画趣旨は以下の通りです。投資家目線のファンド評価を通じて,「自分たちの手でよりよい投資環境を作る」という目的があります。
投資信託について一般投資家の目線でつねに考え,情報を集め,ブログを書いている投信ブロガーたち。投資信託の事情通である彼らが支持する投資信託はどれか?
証券会社の宣伝やうたい文句にまどわされず,自分たちにとって本当によいと思える投資信託を投信ブロガーたちが投票で選び,それを広めることで「自分たちの手でよりよい投資環境を作っていこう!」というイベントです。
2019年の投票先は4つ
FOY2019で私が票を投じたのは以下のファンドです。
- <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド(前年2位)
- eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(前年1位)
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(前年3位)
- セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド(前年6位)
結果的には,昨年の上位ファンドばかりになりました。このうち1つには2票を投じています。
優秀なファンドが多いので,投票先には悩みました。100票くらいほしいです。
選択の理由
購入までのハードルが低く,長期投資に適したファンドを選びたいと考えているので,つみたてNISA対象ファンドのなかから選びました。
したがって,以下の記述はつみたてNISA対象ファンドのなかでの比較に基づきます。また,数値はいずれも執筆時点です。以下,それぞれのファンドを選んだ理由です。
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
MSCIコクサイインデックスへの連動をめざす,先進国株式クラスのインデックスファンドです。私も購入しています。
評価のポイントは,2019年5月に,先進国株式クラスで初めて,信託報酬を税抜0.1%未満に切り下げるとの発表したことです。執筆時点で,信託報酬は年率0.0999%(税抜)です。
純資産総額は1425億円と,人気の先進国株式クラス内で最大で,資金流入量も多く安定感があります。今後も安心して投資できるファンドと私は考えています(図はニッセイアセットマネジメントウェブサイトより)。
設定は2013年であり,FOY2014~2016で第1位,2017,2018で第2位を獲得しているファンドです。また,つみたてNISAが始まるはるか前から継続的にコスト面が改善され続けてきたところは他社との違いでもあります。
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
MSCIコクサイインデックスへの連動をめざす,先進国株式クラスのインデックスファンドです。私も購入しています。
評価のポイントは,同シリーズのコンセプト「業界最低水準の運用コストをめざす」というところが忠実に履行されている点と,純資産総額500億円以上で信託報酬が漸減する「受益者還元型」の仕組みが搭載されているところです。
2019年7月に純資産総額が500億円を突破したことにより,他社ファンドよりわずかに信託報酬が低くなりました。
執筆時点の純資産総額は667.16億円ですので,この金額で概算すると信託報酬は年率0.0987%(税抜)となります(図は三菱UFJ国際投信ウェブサイトより)。
圧倒的な支持を得てFOY2018で1位を取ったことでも明らかなとおり,コストに厳しいブロガーからの評価が高いファンドです。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスへの連動をめざす,全世界株式クラスのインデックスファンドです。
評価のポイントは,日本を含む全世界にこれ1本で対応できること。とてつもなく楽です。
また,現在の信託報酬水準では,日本株・先進国株・新興国株それぞれのファンドを自分で購入するよりも,eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を購入するほうが安くなる状況にあるのも理由です。
運用開始から純資産総額は堅調に増え続け,1年で94億円を集めています(図は三菱UFJ国際投信ウェブサイトより)。
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
低コストかつ,信頼度の高い運用で定評のある米国バンガード社のインデックスファンドに投資する投資信託です。株式:債券=50:50の比率で,全世界の株式と先進国の債券に投資します。
2007年設定で純資産総額は1944億円と,長く投資家の信頼を得てきた優良ファンドですが,今回,私が票を投じた理由はそこではありません。セゾン投信が直販を通じて,顧客に利益をもたらしているところの評価として投票しました。
下図は,金融庁が2019年11月に公表した「『顧客本位の業務運営』の取組成果の公表状況」からの引用です(データは2019年3月末)。直販投信やネット証券各社を通じて投資信託を購入した顧客の損益率を,会社間で比較したものです。
最上位のセゾン投信では,投資家の98%が含み益を上げています。この背景には,セゾン投信は顧客に対して,「とことん長期」の投資を提案し,積立投資を推奨していることがあります。
◆積立投資を顧客に直接提案できるのが直販投信の強みです。
超低コスト商品をネット証券で購入できる時代でも,誰もが自力で使いこなせるわけではありません。顧客の目標は業界で最もコストの低いファンドを購入することではなく,投資を通じて最終的に利益を上げることです。その点で,顧客に直接提案するすべをもち,自前の商品で,実際に顧客に利益につなげている直販投信をもっと評価したいと感じています。
なお,セゾン投信には本ファンドのほかに,「セゾン資産形成の達人ファンド」(純資産総額868億円)というアクティブファンドがありますが,個人的にはより低コストで,バンガードのインデックスファンドを購入する本ファンドを投票先に選びたいです。
◆対応する指数がないので,つみたてNISAでは,アクティブファンド等の分類になっています。
結果が楽しみなFOY2019
私の投票先はFOY2018で上位を獲得したファンドばかりですが,今年はまたほかのファンドが上位に食い込むのではないかと予想しています。
とくに,人気の米国株式クラスで,圧倒的な低コストで新設された「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」(信託報酬・税抜0.088%)とそれに追随した「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は上位に入ってきそうですね。
◆前年のFOY2018では,私も投票した「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」が1位,「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」が2位でした。
◆FOY2018で投票したファンドとその理由です。
◆つみたてNISA対象商品の総一覧です。インデックスファンド部門。
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