2023年1月21日に、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2022」(FOY2022)の表彰式が開催されました。新型コロナウイルス感染症の影響でオンライン開催になっているため、今回も自宅から視聴しました。
投票方法が変わったFOY2022
FOYは今回で16回目を迎えます。公式ページによれば,表彰式は2008年の第2回から行っているそうで、近年は個人投資家だけでなく、運用会社からの注目も高まっているイベントです。
証券会社の宣伝やうたい文句にまどわされず、自分たちにとって本当によいと思える投資信託を投信ブロガーたちが投票で選び、それを広めることで「自分たちの手でよりよい投資環境を作っていこう!」というイベントです。
引用元:投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2022
投票方法が変更
これまでのFOYは、1人あたり持ち点5点を好きなファンドに割り振って投票することができました。1本のファンドに5点を入れるほか、2本を選出して4点・1点または3点・2点としたり、3本を選出して3点・1点・1点または2点・2点・1点としたり、5本を選出して1点ずつという方法も可能でした。
しかしやや複雑であることから、FOY2022では3本までを選出し、1位は3点、2位は2点、3位は1点と配分される方式に変更されています。
私は以下の記事で選んだ12本のなかから3本を選んで投票しましたが、どれを何位にしたかは思い出せません(笑)。
YouTuberやTwitter部門も開催
また、今回は参加者の枠組みを増やすべく、YouTuber部門(「投資YouTuberが選ぶ! Fund of the Year 2023(β)」)やTwitter部門(「#TwitterFundOfTheYear2022(β)」)も開催されました。
YouTuber部門は票が集まらなかったようですが、Twitter部門は多くの参加者を集めて以下のファンドが入賞しました(ファンド名は一部省略しています)。
順位 | ファンド名 | 票数 |
1位 | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) |
42 |
2位 | 農林中金<パートナーズ> 長期厳選投資 おおぶね |
6 |
3位 | eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) |
5 |
4位 | セゾン グローバルバランスファンド |
4 |
4位 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) |
4 |
6位 | <購入・換金手数料なし> ニッセイ外国株式 |
3 |
6位 | eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型) |
3 |
8位 | バンガード 米国高配当株式ETF |
2 |
8位 | 農林中金<パートナーズ> おおぶねグローバル(長期厳選) |
2 |
8位 | 結い2101 | 2 |
8位 | 楽天・インデックスバランス (株式重視型) |
2 |
8位 | SBI・V 全世界株式 |
2 |
8位 | MAXIS全世界株式 (オール・カントリー)上場投信 |
2 |
8位 | eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) |
2 |
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)が圧勝でしたね。2位以下はFOY2022とは異なるファンドも多く入賞しました。
FOY2022の上位入賞ファンド
第1位から第5位まで
第2位 <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド(前年2位)
第3位 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)(前年4位)
第4位 バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)(前年3位)
第5位 eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(前年6位)
第1位の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は4年連続のトップでした。
全世界にこの1本で分散投資できるというコンセプトと、信託報酬を同種ファンドのなかで最も安く設定し、かつ個人投資家の資産形成を重視しているとのメッセージを継続的に発信している運用会社の三菱UFJ国際投信への支持が集まった結果だと思われます。
第2位は「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」。9年連続で4位以上を維持しています。インデックスファンドの低コスト化を牽引してきたことを評価する声が多かったのが印象的でした。
私も2017年にインデックス投資を始めて以来、このファンドも積み立て続けています。
第3位は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」でした。2022年の米国株式は厳しい局面でしたが、資産流入は圧倒的です。すでに純資産総額は1.6兆円を超え、純資産総額で1位の「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」にあと100億円程度と肉薄しています。
まもなく順遺産総額全投資信託のなかでトップになることはほぼ確実でしょう。
第4位は「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)」。2008年に初めて入賞してから上位の常連です。バンガードのETFはしくみからして投資家目線が徹底しており、かつ純資産総額も桁違いという安心感があります。
すでに日本法人は撤退してしまいましたが、バンガードの理念は投資家にとって非常に有用で、当時のPDFをPCに保存しておいてときどき読み返しています。
第5位の「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」が順位を上げました。2位の「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」よりも若干ながら信託報酬が安く、資金流入も多いファンドです。いずれは先進国株式インデックスファンドでも、eMAXIS Slimシリーズがトップになると思います。
第6位から第10位まで
第7位 ひふみ投信(前年13位)
第8位 楽天・全米株式インデックス・ファンド(前年8位)
第9位 結い 2101(前年12位)
第10位 農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね(前年15位)
第6位から第10位までにはアクティブファンドが3本入りました。いずれも昨年までに15位以内に入っていたファンドで、大きな変動はなかったといえます。アクティブファンドには理念や投資家に対する姿勢を評価する声が多かった印象です。
過去5年間の順位の入れ替わり
過去5年間の上位入賞ファンドの推移を表にしてみました。
- 赤=eMAXIS Slimシリーズ
- 緑=楽天バンガードシリーズ
- 青=<購入・換金手数料なし>シリーズ
- 藍=セゾン投信
- 灰=バンガードETF
- 紫=アクティブファンド
4位までの顔ぶれは安定して上位に入っています。激動がないというのは「面白さ」という点では微妙ですが、同じファンドが上位に居続けるのは長期投資の視点からでは非常に重要で、上位をキープし続けているファンドこそが長期に安心して持てる商品ということでしょう。
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