昨今,自転車運転中に死亡事故を起こし,1億円近い損害賠償責任を問われた裁判などが報道されています。自転車事故は大事に至ってしまうこともあるため,個人の日常生活での賠償事例において高額賠償になりやすいものです。
また,自転車事故だけでなく,日常生活では偶然に他人の財産を傷つけてしまうこともあります。そのような事態に備える「個人賠償責任保険」には加入すべきでしょうか。
個人賠償責任保険はコストパフォーマンスのよい保険
「個人賠償責任保険」への加入はぜひ検討すべきです。
個人賠償責任保険は,保険として費用対効果に優れています。個人賠償責任保険には月々200円程度の負担で加入できます。誰でも,1億円といった賠償責任が急に発生したら人生が大きく変わってしまうでしょう。考えるだけでも恐ろしいですね。それを月々200円程度で回避できるのがこの保険のメリットです。
もちろん,それだけまれな事例ではあるのですが,代わりに手元に1億円を備えておくなんてことは私にはできません。大資産家であれば加入する必要はないのですが,補償額とコストを考えると保険としてはよい商品です。
保険の加入の要否について,私は次の3つを基準にしています。
- めったに起こらないが,起こり得る
- お金で解決できる
- 現状,保険で備える以外の手段がない
私にとって個人賠償責任保険はこの3つを全て満たします。
火災保険や自動車保険など他の保険などの特約で付いていることも多いこの保険。みなさんも,きちんと加入しているか確認してみてはいかがですか?
◆保険の要否については以下の記事で詳しく書いています。
個人賠償責任保険の補償の範囲
どんな場合に補償される?
加入した三井住友海上火災保険のポケット保険の説明によれば,以下のような場合に保険金が支払われます。
- 自宅の水濡れにより階下の他人の部屋を水浸しにした
- ゴルフプレー中,あやまって他人にボールが当たりケガをさせた
- スノーボードで滑走中,子供と接触して骨折させた
- 自転車で歩行者に接触してケガをさせた
- ベランダから花びんが落ちてしまい,他人の車にキズをつけた
自転車事故は相手が死亡する危険性も高く,その場合には1億円近い賠償になることもあります。個人賠償責任保険はこういった日常生活に潜むリスク対策に応えるものと言えます。
支払われない例は以下のようなものです。
- 故意
- 地震・噴火またはこれらによる津波
- 仕事中の賠償責任
→日常生活における賠償が対象であるため - (他人から)借りているものや預かっているものの賠償
→自分が所有・管理しているもの以外は対象外 - 自動車使用時の賠償
→自動車保険での賠償となる
故意は当然のことながら,他の制度でカバーすべきものは補償の対象外です。
補償の対象となる人の範囲は?
「個人」賠償責任保険という名前ですが,補償の範囲は自分だけでなく,配偶者や生計を共にする同居の親族,生計を共にする別居の未婚の子までが補償の範囲です。
損害保険の特約を確認し,不足するなら加入を
個人賠償責任保険は,個別に入らなくても,火災保険や自動車保険といった損害保険の特約として加入していることがほとんどです。分譲マンションを購入した方は管理組合を通じて加入していることもあるそうです。
もし該当するのであれば,それらの契約を確認した上で,必要に応じて契約するのがオススメです。
私の場合は加入している火災保険に付帯する個人賠償責任保険の補償金額が5000万円と,最悪の事態を想定すると心もとない感じでした。そこで,所有する三井住友カード経由で申し込み,三井住友海上火災保険が対応する「ポケット保険」にも加入して,補償金額を1億円以上にしています。
詳しい手続きはジンさんのウェブページ(おさいふプラス)を見ながら行いました。とてもわかりやすい記事でした。
めったに起こらないが,起こったら本当に困るリスクは保険会社に移転しよう
三井住友カードは所持しているものの,ポイント還元率が高いわけでもなく,ほとんど使わないカードとなっていました。今回の個人賠償責任保険の契約は有効な活用方法となりました。
1億円に及ぶような賠償責任が問われることはめったに起こりません。しかし,起こったら人生が大きく変わってしまうリスクです。普通の人であれば,そのようなリスクを個人で対処するには限界があります。
保険を契約することでリスクを保険会社に移転して,少額で大きな安心を買う選択があることも知っておきましょう。
また,万一の事態が起こった際に,自分自身への備えだけでなく,損害を与えてしまった第三者へせめてお金で責任を果たしたいという面もあります。
不運にも加害者となってしまった自分だけでなく,不運にも被害者となってしまった第三者を救うためにも個人賠償責任保険には加入する意義があるように思います。もし,逆に私や家族が被害者になったときに,無保険かつ支払い能力に欠ける加害者を相手にすることになったら……と考えるとぞっとします。
◆関連記事です。
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