アクティブファンドも広く分散投資すべきか?

投資戦略

インデックス投資家のなまずんです。

すでに売却済みですが,かつては日本の成長株に投資するアクティブファンドを1000円分ほど買ったことがあります。お試し程度の気持ちで買い,結果的には指数を上回る成績を上げたのでビギナーズラックでした。

今は全く保有していませんが,今日はアクティブファンドの複数保有について考えてみます。

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3分の2のアクティブファンドの運用成績はインデックスファンドを下回る

アクティブファンドとインデックスファンドの運用成績の比較は長年研究されてきました。つみたてNISAの影響で社会的にも周知の事実となりつつありますが,結論として,アクティブファンドは総じて,インデックスファンド以上の成績を挙げることが難しいです。この事実は昔から米国の経済学者のバートン・マルキール著『ウォール街のランダム・ウォーカー』などで語られている通りです。

実際に,投資信託評価会社モーニングスター社の調査(2015年)では,国内株式クラスのアクティブファンドのインデックスファンドに対する勝率は,1年で26%,3年で33%,5年で39%,10年で32%いずれも4割に届きません。インデックスファンドを上回る運用成績を残したアクティブファンドは約3分の1でした。

日本だけでなく,米国でも同様です。バートン・マルキールと,『敗者のゲーム』で有名な同じく米国の経済学者,チャールズ・エリスの共著『投資の大原則(第2版)』では,米国S&P500市場でもアクティブファンドの勝率は約3分の1と言及されています(2012年の調査資料)。

割合だけでなく,運用成績の平均もインデックスファンドのほうが良好です。

アクティブファンドが負ける2つの理由

アクティブファンドがインデックスファンドに負けてしまう理由は2点です。

  1. 市場の売買の9割は機関投資家が占めること
  2. アクティブファンドの手数料がインデックスファンドより高いこと

1.はすなわち,市場で売買する参加者はほぼ全員がプロだということです。投資信託のマネージャー同士で株が売買されることが多いため,一方の投資信託が利益を上げれば,一方は損失を出すことになります。結果として,手数料を引く前のアクティブファンドの運用成績の平均はインデックスとほぼ同じになります。

2.は多くのアクティブファンドがインデックスファンドに負けてしまう直接的な理由です。指数に合わせて組成するインデックスファンドに比べて,市場平均以上の成績をめざすアクティブファンドは売買コストや情報収集コストが余計にかかります。それが投資家の負担する手数料に跳ね返ってきますので,アクティブファンドの運用成績がインデックスファンドと同じなら,コストの差額だけ最終的なリターンはインデックスファンドを下回ってしまいます

広く分散投資するなら,インデックスファンドを買うべき

とはいえ,約3分の1のアクティブファンドはインデックス以上の成績を上げています。リターンは結果が出ないとわからないので,アクティブファンドの購入が必ずしも悪いものではありません。明らかに欠陥がある商品でなければ,アクティブファンドでも自分のリスク許容度の範囲内で,気に入った商品を買えばいいと思います

一方で,多くの種類のアクティブファンドを広く分散して保有するのは良い手段とは思いません。その理由は,結果的に「手数料の高い疑似インデックスファンド」が出来上がってしまうからです。投資のリターンを考える上で,コストは商品選択を通じて投資家がコントロールできるものです。

一例ですが,ある時国内大型バリュー株に注目してニッセイ日本株ファンド(信託報酬1.08%)を買い,その後大型グロース株をポートフォリオに入れるためにフィデリティ・ジャパン・オープン(信託報酬1.65%)を買う……など,国内大型株アクティブファンドをいくつか組み合わせて持った場合を考えてみましょう。これを繰り返すと,ポートフォリオ全体としては日本のTOPIXを広くカバーすることになります。結局,お手製の「ほぼTOPIX連動のインデックスファンド」が出来上がります

であれば,信託報酬0.17%のeMAXIS Slim国内株式(TOPIX)を購入したほうが賢い選択ですね。1%以上コストカットになるでしょう。

もしバリュー株を多めに持ちたければ,eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)+ニッセイ日本株ファンドのように,インデックスファンドを軸にアクティブファンドを付け加えるポートフォリオを組むことができます。アクティブファンドも使いどころとは思いますが,もし,広く分散投資して「手数料の高い疑似インデックスファンド」が出来上がっているなら,インデックスファンドの購入も検討すべきではないかと思います。

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