社会人3年目のほうが2年目より手取りが減るかもしれない

税制一般・確定申告

2016年4月に入社して,社会人3年目のなまずんです。

社会人1~2年目である2017年1~12月と,2~3年目である2018年1~7月を比較して,2018年はここまで収支が悪化していることに気づきました。
2018年のほうが収入は増えているにもかかわらず,支出はそれ以上に増えています。

これは由々しき事態です。どの支出項目に原因があるのでしょうか。
入社以来の給与明細を引っ張りだし,家計簿アプリ・マネーフォワードの記録を分析してみると,その理由が「税金」にあることがわかりました。

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社会人1~2年目と2~3年目を比べてわかったこと

2017年(1~12月)は社会人1年目の後半~2年目。
2018年(1~7月)は2年目の後半~3年目です。
以下のどれかに鍵があると考え,3つに分けて調べました。

  • 収入
  • 税金・社会保障以外の支出
  • 税金・社会保障

収入:2017年に比べて,2018年は5%増えている

収入は賞与の影響を除くため,2017年1~7月と2018年1~7月で比較しました。
すると,2018年は2017年に比べて約5%,収入は増加していました。

税金・社会保障以外の支出:2017年に比べて,2018年は15%減っている

支出は月ごとに多少のばらつきがあります。
平準化を図るため,「2017年1~12月の合計額÷12」と,「2018年1~7月÷7」という月の平均を算出しました。
すると,2018年は2017年に比べて約15%,税金以外の支出が減少していました。

税金・社会保障:2017年に比べて,2018年は35%増えている

税金は賞与の影響を除くため,2017年1~7月と2018年1~7月で比較しました。
すると,2018年は2017年に比べて約35%,税金は増加していました。

収入が増加し,税金以外の支出が減っているため,普通であれば収支は改善するはずです。
しかし現実は,改善するどころか悪化しています。これは社会人3年目になっていよいよ税金・社会保障のラインアップが揃うことにありました。

税金・社会保障がフルラインアップになるのは社会人3年目の6月

社会人2年目の手取り収入が,1年目を下回る場合があることは有名です。それは社会人2年目の6月から「住民税」の納付が始まるから。

しかし,本当に税金のラインアップが揃うのは3年目の6月からなのです。

2年目より3年目の手取りが少なくなる原因も,住民税にある

税金の種類によって,計算期間と実際の納付時期が異なります。その代表選手が住民税で,3年目の手取り収入が2年めを下回り得るのも,この住民税が原因です。

以下に,所得税,雇用保険料,厚生年金保険料,健康保険料,住民税の税額計算期間と納付時期をまとめます。

税金

税金・社会保険料の種類によって,どの所得の計算期間と納める時期はずれている。特に,最も右側の住民税は1年以上もタイムラグがある。

2年めと3年目で大きく異なるのが,住民税の計算期間。

2年目は5月まで支払わず,6月以降は1年目4月~12月の9か月分の収入(図中の①に対応)に対して支払います。

一方で3年目は,6月以降は12か月分の収入(②に対応)に対する税金を支払わなくてはなりません。ここが3年目の落とし穴です。

他の税金・社会保障の項目についても,計算期間と納付期間を比べてみました。

社会人1年目の4月から納める所得税,雇用保険料

所得税と雇用保険料は「所得が発生した月」に支払います。
所得税の計算は見込みで,見込みの年収に応じて5~45%の税率で計算されます(国税庁のページ)。

雇用保険料は多くの場合,被用者の負担は給与の0.3%。農林水産業など,職によって0.4%のものもあります(厚生労働省のページ)。

社会人1年目の5月から納める厚生年金保険料,健康保険料

厚生年金保険料,健康保険料は基本的に「所得の翌月」に支払います。
その料率は標準報酬月額によって規定されていて,各年の4~6月の所得の平均を9月~翌年8月にわたって納めます(図中のA,B,Cに対応)。

よく,4~6月の残業代を抑えて保険料率を下げよう! などと言われるのはこの仕組みからです。
ただ,年金の場合は納める保険料が少なくなれば,老後の支給額もそれに応じて減ることに注意は必要です。

社会人2年目の6月から納める住民税

曲者であるのが,前年の所得をもとに納める住民税

例えば,2018年の所得にかかる住民税は2019年6月~2020年5月にかけて徴収されます。
これほどのタイムラグがあるために,社会人1年目では全く納めず,2年目では途中から9か月分(前年の4~12月)を納め,3年目の6月になってようやく12か月分の所得に対する税金を収めることになるのです。

住民税が登場する2年目ほどではないにせよ,油断すると痛い目を見る

新たな税金・社会保険料が増えるわけではないため,3年目の6月に手取り収入が減ってしまう落とし穴を意識している人は少ないのではないでしょうか?
計算期間の関係で住民税が大幅に増えることが3年目の手取り収入を減らす主な原因です。

しかし,住民税が3年目になって増えることは制度上の仕組みであり,日本に住む限り逃れることはできません。

そこで,所得を見かけ上減らしたり,先送りできる制度の活用も図りましょう

ふるさと納税やiDeCoといった所得を減らす制度活用を考慮しよう

主に住民税にかかわるお得な制度として定着しているのがふるさと納税

現住地以外の自治体に寄附する制度で,2000円の自己負担で住民税と所得税の一部が控除され,お礼の品がもらえると注目を浴び,2017年は3653億円を超える寄附がありました。

iDeCoは2017年から制度利用できる人が増え,会社員や公務員も加入できるようになりました。拠出した金額は所得から控除されることで,所得税・住民税の軽減につながります。
運用益は非課税で,受取時にも控除があることで人気の制度となっています。
◆どの制度が合っているかの比較にはまとめページを作ったので,詳しくはこちらをご覧ください!

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介護保険に加入する40歳からが,本当のフルラインアップ

以上,20代の視点で3年目6月からが税金・社会保険料の支払が出揃うことを説明しました。

しかし,真のフルラインアップは40歳から支払う介護保険料が登場したときです。
社会を支える制度であるとはいえ,税金の負担は軽いものではありません。

今回の件を通じて,手取り収入と税金・社会保険料の関係の大きさには驚きました。生活に直結するのは額面ではなく,手取り収入です。
「額面給与が増えた!」と喜んで収支のバランスを崩さないよう心掛け,税金と社会保険料の知識を得る勉強を続けたいと思います。

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