iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金は,毎月一定金額を拠出するだけでなく,月別にいくら拠出するかを自分で設定することができます。2017年までは毎月拠出だけでしたが,2018年1月に変更されました(国民年金基金連合会)。
これにより,ボーナスなどに合わせて多く拠出することができるほか,手数料の節約のために拠出の回数を減らす(拠出を年1~数回にまとめる)という方法もできるようになりました。
月別にいくら拠出するかという設定は,2018年以降の加入者は加入時に行います。設定後は変更申請をしない限り,翌年も同じパターンが引き継がれます。
本記事は,iDeCoを開始するときや,拠出金額を変更するときに提出する「加入者別掛金額登録・変更届」の書き方について,プロセスと個人的につまづいた点をまとめました。
変更する場合,iDeCoの運用機関に電話連絡
掛金額の変更手続きはインターネットではできません。ここが最初のつまずきポイントでした。
所定の用紙(加入者月別掛金額登録・変更届)を郵送してもらい,用紙を郵便で返送する必要があります。運用商品を変更するときのようにウェブ上で完結できると思っていたので少し驚きました。
対応はiDeCo口座を開設した金融機関のコールセンターへの電話での請求のみです。中には電話を掛けるよう明示されていない金融機関もあるようです。
私は楽天証券にiDeCoを開設しているので楽天証券コールセンターに電話しました。担当者は慣れた様子で応対していたのでたくさん連絡が来ているのかもしれませんね。
電話しなければならないのは少々不便ですね。連絡すると数日で封筒が届きます。
基礎年金番号,企業年金制度の記入が必要
※以下,私の使っている楽天証券の場合です。記載すべき内容は基本的に同じですが,金融機関によって若干違う可能性もあります。
金融機関から送られてくる書類のうち,記入する用紙は2つです。「加入者掛金額変更届(第2号被保険者用)」と「加入者別掛金額登録・変更届」で,どちらも記入要領に則って書いていきます。
基礎年金番号と企業年金制度を控えていないとうろたえます。つまずきポイント。
基礎年金番号は年金手帳に書いてありますが,その年金手帳が見当たらず……。年金手帳が手元に見つからない場合,iDeCo加入時に送られてくる個人型年金加入確認通知書を参照すればわかります。
企業年金制度は会社によりますので,勤務先の担当者に聞きましょう。
「加入者別掛金額登録・変更届」の記入がややこしい
おそらく手元に届いた人は実感すると思います。「加入者別掛金額登録・変更届」,記入方法がとてもややこしいんです!
いつまでが(これまでの)「納付済」の掛金で,どこからが(これからの)「掛金額」なのかわからない……。
説明書きがついているのですが,何通りにも読めるような気がしてしまいます。間違えて記載すると変更が遅れてしまいますので,あらためて楽天証券の担当者さんに電話してみました。
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――(1月20日ごろに電話)iDeCoの掛金を毎月1万2000円から,6月と12月に7万2000円ずつに変更しようと思っています。何月分から変更可能になりますか。
楽天 変更までに少し時間がかかります。1月20日ごろに記入し,送付すれば3月26日引落分から変更です。2月までは「納付済」欄にこれまでの掛金額を書き,3月以降は「掛金額」の欄に記入してください。
――いつごろまでに送付すれば,3月から掛金が変更できるのでしょう。
楽天 2月前半までに送付すれば3月引落分から反映されます。2月後半になってしまう場合は,4月分からの変更です。送付が2月後半になってしまう場合,3月分も「納付済」にご記入ください。
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以上から,1月下旬に申し込み,半年分をまとめて納入する場合は画像の通りになります。
2月26日引き落としまでは「納付済」欄にこれまで通りの掛金額を記入します(私の場合は1万2000円)。
【月の前半に書類を送付】→【翌月の引落から「掛金額」欄に変更,それ以前は「納付済」に記入】
【月の後半に書類を送付】→【翌々月の引落から「掛金額」欄に変更,それ以前は「納付済」に記入】
※月の前後半を分ける送付日について日付で教えてくれなかったので,送付が13日~18日くらいの場合,安全策として,納付済欄に1か月多く記載するほうがよいかもしれません。
掛金拠出のルールとして,以下を送付前にチェックしましょう。
A)掛金拠出月は5000円以上の拠出になっているか
B)12月26日拠出分は5000円以上か
C)拠出がある月は,当年の累積額が下限(累計拠出額が5000円×月数)と上限(累計拠出額が月ごとの上限額×月数)の間になっているか
※詳細はiDeCo公式サイトの「掛金年単位拠出の考え方」をご参照ください。
手数料を抑えて賢く運用しよう
多少面倒でも運用上のメリットが大きい(1回拠出すると105円の手数料)ので,拠出方法は変更したいところです。運用商品の手数料は年間0.3%未満の商品が多いのに対して,拠出時に取られる手数料は相対的に大きくなりがちです。
拠出額が毎月1万2000円の人にとって,105円(約0.9%)は高すぎる。私は半年に1回にまとめています。
拠出回数を減らすことには手数料の低減というメリットだけでなく,前納できないため機会損失があるというデメリットもあります。私は当面,NISA口座などでの拠出金額と調整して,年に2回拠出(6月,12月)とするつもりです。
iDeCo以外にNISA・つみたてNISA口座などで積み立てている方は,NISA・つみたてNISA口座での積立を前倒しするなど,ポートフォリオ全体で調整することもを検討してはいかがでしょうか。
コメント
なまずんさん、朗報です。
楽天証券のIDECOの掛け金変更は次のアドレスから請求できるようになりました。
(電話→自分で印刷)
https://dc.rakuten-sec.co.jp/flow/procedures/
実は、最近、掛金を、なまずんさんのように年2回払いにしたくコールセンターにかけていました。(コロナ関係で人員削減のようで繋がらず。)今日かけたら、ログイン前の画面で帳票印刷して送付できるとアナウンス加わわってました。見てみると、確かにできるようになってました。(おそらくこの3日の間に変わったと思われます。)
とりあえず、ひと手間減っただけでもうれしいです。
追伸 SBIは知りません。(笑)
あるかりさん、コメントありがとうございました。
有用な情報に感謝申し上げます! 近々内容の修正を検討いたします。
それでも紙がやっぱり必要なんですね。
うまく変更できるといいですね!