「新しいNISA」の情報のアップデート――SBI証券のオンラインセミナーにて

NISA・つみたてNISA
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2月13日は語呂合わせで「NISAの日」と言われるそうです。その「NISAの日」を冠して同日に開催されたSBI証券のオンラインセミナー「”NISAの日”セミナー 新しいNISAのポイント・NISAを活用した資産運用法」を視聴しました。

YouTube Liveを活用したもので、視聴者数は3000人台で推移していました。ご覧になった方もいるのではないでしょうか。

セミナーには、LIFE MAP合同会社代表の竹川美奈子さんやモーニングスター社長の朝倉智也さんなどが登壇しました。プログラムは3部+質疑応答で、以下の構成でした。

  • 第1部「新しいNISA制度について」(竹川さん、40分)
  • 第2部「NISAを活用したポートフォリオの作り方について」(朝倉さん、40分)
  • 第3部「NISAで組み入れたい投資信託とは!?」(大和アセットマネジメント、三菱UFJ国際投信、SBIアセットマネジメントの人、30分)
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新しいNISA制度について

新しいNISA制度については既報の内容の整理がほとんどでしたが、概略をざっと記載しておきます。制度は「つみたて投資枠」「成長投資枠」の2つの仕組みからなります(下図、金融庁ウェブサイトより)。

新しいNISAの構成

一般NISAやつみたてNISAと比較して、この表の内容を抜粋するとこのような感じ。
  • 制度が恒久化され、商品の保有期限がなくなる
  • つみたて投資枠は年間120万円、成長投資枠は240万円
  • 併用可能であるため、2つの枠をいっぱいに使えば年間360万円投資可能
  • 投資枠の上限は総枠で1800万円(うち成長投資枠は1200万円まで)、成長投資枠はゼロでもよく、つみたて投資枠で1800万円すべてを使うこともできる

そしてより細かい点としては、これから決まる部分もありますが、現状ではこのようなことがわかっています。

  • 現在、一般NISAやつみたてNISAを使用している人は、複雑な手続きを必要とせずに2024年からの「新しいNISA」を利用できる見込みであること
  • 売却した場合は簿価(買値)に相当する枠が再利用できるようになるが、再利用できるのは翌年
  • 商品の入れ替え(スイッチング)はできず、商品を入れ替えるときには単純に売却して購入し直すこととなる
  • 新しいNISAでも、毎年証券会社を選べるようになる見込みだが、つみたて投資枠と成長投資枠を別の証券会社にすることはできない
  • つみたて投資枠では年1回積立という方法は選べず、2回以上に分ける必要がある
  • 特定口座などで保有する商品をそのまま新しいNISAにスライドさせることはできず、売却して新しいNISAのなかで買い付ける必要がある
いくつかは私も知らなかったりあやふやな状態だったりしました。その他も制度開始に向けてこれから情報が出てくるはずです。スタートまでにはまとまった情報が出ると思いますので、いまから焦って情報収集する必要はないと思います。

運用会社のオススメはやっぱり売りたい商品

制度の解説はとてもわかりやすかったのですが、予想通りではあるものの、とくに運用会社の話す第3部「NISAで組み入れたい投資信託」は話半分に聞いておくくらいがちょうどいい内容でした。

わけのわからない高コストな商品が選ばれていたわけではなく、知りたい人もいる内容だったと思いますが、話の展開はわざわざ「NISAで組み入れたい」という理由にはつながっていなかったように思います。

説明を聞いても、「恒久化され、超長期で運用できるNISAで必要な商品」という買い手視点の話ではなく、「こんな理由で開発しました!」「バックテストではこんなに上がっています!」のような、まさに「これがこの商品を売るためのストーリーです!」と言わんばかりの売り手視点のプレゼンテーションでした。

その前に「上がったときに買い、下がったときに売る」ことに要注意という朝倉さんの第2部での説明があったのがなんとも言えない感じでした。

その朝倉さんでさえ運用会社とは利害関係にあり、第2部の後半ではそれまでの説明と大してつながらない資産配分を示したりしていました。

ナスダック100指数やS&P500指数、または全世界株式に連動するファンドも紹介された時間もいくらかあったんですけどね。結局は利害関係がある人は、利害関係がある部分では、突然なにかに取り憑かれて話し始めるものだと思って聞き流すしかありません。

NISAの恒久化&枠拡大は、運用会社・証券会社にとっては千載一遇の好機ですので、今後も似たような構造のセミナーは開催されるでしょう。制度の説明などの「入れ物」の話はさておき、そこに入れる商品を選ぶときは、運用側ではなく、投資する側と利害の一致する人の意見を重視していくのがよいと思います。

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