この記事では、現在特定口座で投資信託を持っている人が、2024年から始まる「新しいNISA」(新NISA)の枠をどう使っていくのがよいのかの検討結果をまとめています。
全2回に分け、前回は今後の投資金額が1800万円に届かない場合を考えました。この場合は、現在の状況にかかわらず早く移すべきと結論づけました。
今回は今後の投資金額が1800万円を超える場合を考えていきます。
現在の損益率、将来の値上がり率、年間投資金額によって結論が異なる
Excelを使ってシミュレーションをしてみたところ、結果は「特定口座の商品を売却し、最速の5年で新NISAを埋めたほうがいい」場合と、「特定口座の商品を売却せず、新規投資資金だけで新NISAを埋めていくほうがいい」場合の両方があり得ることがわかりました。
そして決定要因は次の3つです。
- 特定口座で保有する商品の損益率(現在の損益率)
- 将来の売却時までの値上がり率(将来の値上がり率)
- 新規投資金額だけで新NISAの枠を埋める場合の年数(今後の年間新規投資金額)
ほかに所得税率の変動も要件になりますが、今回は20%のまま変わらないと考えます。
将来の売却時までの値上がり率は「年率リターン(幾何平均)×運用年数」と置き換えたほうが考えやすいので、以降は「現在の損益率」「年率リターン」「運用年数」「年間新規投資金額」の4つをもとに検討します。
なお、商品の条件は前回と同様、分配金の出ない投資信託の場合で考えています。
シミュレーションしてみた結果
4つの条件のうち、現在の損益率と今後の年間投資金額で場合分けし、年率リターンと運用期間ごとの結果を表にしました。
現在の損益率が0%の商品の場合
以下のように、特定口座の商品を売却して新NISAへ移したほうが有利です。特定口座からの売却時の課税が無視できるレベルなので、新NISAの枠を効率的に使えます。
年間300万円新規投資
新NISAを6年で埋められる年間投資金額の場合です。現実的な年率4%くらいだとあまり変わりませんが、早く移したほうが有利です。
数値がプラスの場合は「特定口座の商品を売却し、最速の5年で新NISAを埋めたほうがいい」、マイナスの場合は「特定口座の商品を売却せず、新規投資資金だけで新NISAを埋めていくほうがいい」という意味です。
また、数値は税引後利益の差を「万円」で表しています。たとえば一番左上の3.8は、「年率2%で10年運用できた場合、特定口座の商品を売却し、新NISAで買い直して運用したほうが3.8万円有利」とい解釈してください。
10年運用 | 20年運用 | 30年運用 | 40年運用 | |
年率2% | 3.8 | 4.2 | 4.7 | 5.4 |
年率3% | 5.9 | 7.0 | 8.4 | 10.3 |
年率4% | 8.1 | 10.2 | 13.4 | 18.1 |
年率5% | 10.4 | 14.2 | 20.3 | 30.3 |
年率7% | 15.7 | 24.9 | 43.1 | 79.0 |
年率10% | 25.1 | 51.7 | 120.8 | 299.9 |
年間225万円新規投資
新NISAを8年で埋められる投資金額の場合です。特定口座の商品を売却し、新NISAを早く埋められる効果がより強く出るため差が大きくなりました。
10年運用 | 20年運用 | 30年運用 | 40年運用 | |
年率2% | 11.5 | 13.1 | 15.0 | 17.4 |
年率3% | 17.7 | 21.7 | 27.0 | 34.2 |
年率4% | 24.4 | 32.2 | 43.8 | 60.9 |
年率5% | 31.6 | 45.1 | 67.1 | 103.0 |
年率7% | 47.4 | 79.9 | 144.0 | 269.9 |
年率10% | 75.6 | 166.1 | 400.7 | 1009.3 |
年間180万円新規投資
新NISAを埋めるのに10年かかる投資金額の場合です。特定口座の資金を売却して新NISAに移動すると、年率4%になった場合は40年後に100万円以上の差が出ることになりました。
10年運用 | 20年運用 | 30年運用 | 40年運用 | |
年率2% | 19.1 | 22.0 | 25.6 | 30.0 |
年率3% | 29.4 | 36.7 | 46.5 | 59.6 |
年率4% | 40.5 | 54.7 | 75.7 | 106.8 |
年率5% | 52.2 | 76.6 | 116.3 | 181.0 |
年率7% | 78.0 | 135.7 | 249.2 | 472.5 |
年率10% | 123.4 | 280.0 | 686.1 | 1739.6 |
これ以上を検討しても結果は明らかです。そもそも含み益がない商品なら、特定口座から売却するデメリットが何もないので、早く売って新NISAに乗り換えたほうがよいです。
現在の損益率が+10%の商品の場合
例えば投資元本2000万円で評価額が2200万円である商品など、損益率が+10%の場合を検討します。
年間300万円新規投資
損益率0%のときよりは、特定口座からの売却時に課税を伴う分メリットが小さいですが、売却して新NISAを埋めたほうがよいと考えられます。
10年運用 | 20年運用 | 30年運用 | 40年運用 | |
年率2% | 3.1 | 2.4 | 1.5 | 0.5 |
年率3% | 4.7 | 3.9 | 2.9 | 1.4 |
年率4% | 6.5 | 5.9 | 4.9 | 3.5 |
年率5% | 8.4 | 8.3 | 8.0 | 7.6 |
年率7% | 12.7 | 15.1 | 19.8 | 29.1 |
年率10% | 20.4 | 33.3 | 66.7 | 153.4 |
年間225万円新規投資
この場合も特定口座の資金を売却し、新NISAで買い直すほうがよさそうです。
10年運用 | 20年運用 | 30年運用 | 40年運用 | |
年率2% | 9.8 | 8.9 | 7.7 | 6.4 |
年率3% | 15.1 | 14.9 | 14.6 | 14.1 |
年率4% | 20.9 | 22.4 | 24.7 | 28.0 |
年率5% | 27.0 | 31.7 | 39.5 | 52.0 |
年率7% | 40.6 | 57.8 | 91.5 | 157.7 |
年率10% | 65.1 | 124.6 | 279.1 | 679.7 |
わが家は年間投資金額225万~300万円なので、損益率10%の商品は新NISAへと積極的に移動していきます。
年間180万円新規投資
新NISAを埋めるのに10年かかる投資金額の場合です。特定口座の資金を売却して新NISAに移動すると、年率4%になった場合は40年後に100万円以上の差が出ることになりました。
10年運用 | 20年運用 | 30年運用 | 40年運用 | |
年率2% | 16.8 | 16.4 | 15.9 | 15.3 |
年率3% | 26.0 | 27.6 | 29.9 | 32.9 |
年率4% | 35.7 | 41.6 | 50.2 | 63.0 |
年率5% | 46.1 | 58.8 | 79.4 | 113.0 |
年率7% | 69.0 | 106.1 | 179.2 | 322.9 |
年率10% | 109.3 | 224.7 | 524.0 | 1300.2 |
これも傾向は明らかですね。損益率10%の商品も、特定口座から売却して新NISAに移動したほうがいいでしょう。
現在の損益率が+20%の商品の場合
例えば投資元本2000万円で評価額が2400万円である商品など、損益率が+20%の場合を検討します。
年間300万円新規投資
運用期間が30年以上になる場合は、年率7%以下なら乗り換えないほうが有利になりました。不思議なもので、年率10%以上を予測するなら乗り換えたほうが有利です。
10年運用 | 20年運用 | 30年運用 | 40年運用 | |
年率2% | 2.4 | 0.8 | -1.2 | -3.7 |
年率3% | 3.7 | 1.3 | -1.9 | -6.3 |
年率4% | 5.1 | 2.1 | -2.4 | -9.1 |
年率5% | 6.7 | 3.2 | -2.6 | -11.9 |
年率7% | 10.1 | 6.6 | -0.3 | -13.7 |
年率10% | 16.4 | 17.5 | 20.3 | 27.7 |
NISAの非課税のメリットと、特定口座で持ち続ける場合の税の繰り延べ効果のメリットなどが複雑に絡むためにこのような結果になりました。もし年率10%で30年以上運用できたとしたらそもそも爆益です。それを考えれば20~30万円違ったところで大差ないことから、特定口座から売らずに運用してはいかがでしょうか。
年間225万円新規投資
概ね特定口座の商品を売却したほうが有利ですが、常識的なリターンで長期運用するならば40年経過後でもあまり差はありません。年率7%以上を予測するなら特定口座の商品を売却したほうが有利という結果です。
10年運用 | 20年運用 | 30年運用 | 40年運用 | |
年率2% | 8.3 | 5.3 | 1.5 | -3.1 |
年率3% | 12.9 | 9.0 | 3.9 | -3.1 |
年率4% | 17.8 | 13.9 | 8.2 | -0.3 |
年率5% | 23.1 | 20.3 | 15.7 | 8.2 |
年率7% | 34.8 | 38.7 | 46.3 | 61.3 |
年率10% | 56.0 | 89.0 | 174.6 | 396.7 |
なおわが家の場合はこの年間225万円投資と年間300万円投資の間に位置するのと、年率3~5%を予測していること、40年程度運用すると考えていることから、損益率20%の商品は「売却→新NISAで買い直し」をしない方向で考えています。
年間180万円新規投資
特定口座の商品を売ってなるべく早く新NISAを埋めましょう。
10年運用 | 20年運用 | 30年運用 | 40年運用 | |
年率2% | 14.9 | 11.6 | 7.6 | 2.7 |
年率3% | 23.0 | 19.8 | 15.6 | 9.9 |
年率4% | 31.7 | 30.3 | 28.2 | 25.2 |
年率5% | 40.9 | 43.5 | 47.7 | 54.5 |
年率7% | 61.2 | 80.7 | 119.0 | 194.3 |
年率10% | 97.3 | 177.3 | 384.7 | 922.9 |
これより投資金額が少ない場合は乗り換えたほうが有利です。
現在の損益率が+50%の商品の場合
例えば投資元本2000万円で評価額が3000万円である商品など、損益率が+50%の場合を検討します。
年間300万円新規投資
現在の損益率が50%の商品は特定口座での売却時にかかる税金が大きくなり、課税を繰り延べる効果も大きいです。売却して喪失するメリットが、新NISAで少し早くから運用できる非課税メリットより大きくなります。
10年くらいで運用をやめる人なら乗り換えたほうが得ですが、年間300万円を投資できる人は損益率+50%の商品は売らないほうが得策です。
10年運用 | 20年運用 | 30年運用 | 40年運用 | |
年率2% | 0.9 | -2.9 | -7.7 | -13.4 |
年率3% | 1.4 | -4.7 | -12.9 | -24.0 |
年率4% | 2.0 | -6.6 | -19.3 | -38.1 |
年率5% | 2.6 | -8.6 | -27.0 | -56.8 |
年率7% | 4.1 | -12.9 | -46.5 | -112.4 |
年率10% | 7.1 | -18.9 | -86.4 | -261.6 |
年間225万円新規投資
運用期間が短い人は乗り換えることを検討してもいいでしょう。
10年運用 | 20年運用 | 30年運用 | 40年運用 | |
年率2% | 5.0 | -3.1 | -12.9 | -24.9 |
年率3% | 7.8 | -4.5 | -20.9 | -43.0 |
年率4% | 10.8 | -5.6 | -29.8 | -65.6 |
年率5% | 14.0 | -6.2 | -39.2 | -93.0 |
年率7% | 21.4 | -5.2 | -57.6 | -160.7 |
年率10% | 35.2 | 7.2 | -65.6 | -254.2 |
年間180万円新規投資
常識的なリターンで考えれば、運用期間が長い人は特定口座で持ち続け、新NISAは新規投資金額だけで埋めたほうが良い結果になりそうです。
10年運用 | 20年運用 | 30年運用 | 40年運用 | |
年率2% | 10.4 | 0.5 | -11.6 | -26.4 |
年率3% | 16.1 | 1.8 | -17.4 | -43.3 |
年率4% | 22.2 | 4.2 | -22.4 | -61.8 |
年率5% | 28.8 | 8.1 | -25.5 | -80.3 |
年率7% | 43.3 | 22.1 | -19.6 | -101.8 |
年率10% | 69.5 | 68.1 | 64.4 | 55 |
年間120万円新規投資
新規投資資金だけでは新NISAを埋めるのに15年かかる、年間120万円投資の人になると、特定口座の資金を売却して新NISAに入れるメリットも出てきます。
10年運用 | 20年運用 | 30年運用 | 40年運用 | |
年率2% | 21.3 | 15.3 | 2.4 | -13.4 |
年率3% | 32.7 | 26.6 | 9.3 | -13.9 |
年率4% | 44.8 | 41.3 | 22.9 | -4.4 |
年率5% | 57.6 | 59.9 | 46.0 | 23.2 |
年率7% | 85.5 | 112.9 | 137.8 | 186.9 |
年率10% | 133.8 | 249.3 | 497.0 | 1139.4 |
年間100万円新規投資
新規投資資金だけでは新NISAを埋めるのに18年かかる、年間100万円投資の人になると、特定口座の資金を売却して新NISAに入れ、なるべく前倒しで新NISAを埋めたほうがいいでしょう。
10年運用 | 20年運用 | 30年運用 | 40年運用 | |
年率2% | 24.9 | 25.6 | 13.6 | -1.1 |
年率3% | 38.3 | 43.4 | 29.7 | 11.2 |
年率4% | 52.4 | 65.7 | 55.8 | 41.1 |
年率5% | 67.2 | 93.1 | 95.6 | 99.8 |
年率7% | 99.5 | 167.9 | 239.1 | 379.1 |
年率10% | 155.3 | 351.3 | 749.2 | 1781.3 |
現在の損益率が+100%の商品の場合
例えば投資元本2000万円で評価額が4000万円である商品など、損益率が+100%の場合を検討します。
年間300万円新規投資
特定口座の商品を売却して新NISAで買い直すのはほぼお金を捨てるようなものです。
10年運用 | 20年運用 | 30年運用 | 40年運用 | |
年率2% | -0.7 | -6.9 | -14.5 | -23.8 |
年率3% | -1.0 | -11.1 | -24.7 | -42.9 |
年率4% | -1.3 | -15.9 | -37.4 | -69.2 |
年率5% | -1.7 | -21.2 | -53.0 | -104.9 |
年率7% | -2.2 | -33.7 | -95.8 | -217.7 |
年率10% | -2.7 | -57.7 | -200.1 | -569.6 |
年間225万円新規投資
運用期間が20年以上あるなら新NISAは8年で埋めればいいでしょう。30年後・40年後は結構な差になります。
10年運用 | 20年運用 | 30年運用 | 40年運用 | |
年率2% | 1.4 | -12.0 | -28.4 | -48.3 |
年率3% | 2.2 | -19.0 | -47.4 | -85.7 |
年率4% | 3.2 | -26.5 | -70.4 | -135.4 |
年率5% | 4.3 | -34.5 | -97.9 | -201.0 |
年率7% | 7.1 | -52.1 | -168.6 | -397.7 |
年率10% | 13.0 | -80.0 | -321.3 | -947.2 |
年間180万円新規投資
これも売らないほうがいいという結果です。100万円単位の差が出てきます。
10年運用 | 20年運用 | 30年運用 | 40年運用 | |
年率2% | 5.6 | -11.4 | -32.2 | -57.5 |
年率3% | 8.8 | -17.5 | -52.8 | -100.2 |
年率4% | 12.2 | -23.6 | -76.6 | -155.0 |
年率5% | 15.9 | -29.6 | -103.7 | -224.4 |
年率7% | 24.3 | -40.4 | -167.5 | -417.7 |
年率10% | 39.9 | -48.1 | -276.5 | -869.0 |
年間100万円新規投資
年間180万円、150万円、120万円の結果は省略します。
新NISAを埋めるのに18年かかる年間新規投資金額100万円の場合は、運用期間20年程度までは特定口座の商品を売って新NISAを前倒しで買うのがよく、30年以上になる場合は概ね特定口座の商品はそのまま持ち続けるのが良いという結果になりました。
10年運用 | 20年運用 | 30年運用 | 40年運用 | |
年率2% | 18.0 | 8.4 | -16.2 | -46.1 |
年率3% | 27.6 | 15.6 | -21.4 | -71.0 |
年率4% | 37.8 | 25.4 | -22.5 | -93.4 |
年率5% | 48.6 | 38.6 | -17.3 | -108.3 |
年率7% | 72.0 | 77.7 | 25.5 | -77.1 |
年率10% | 112.6 | 183.4 | 256.7 | 446.7 |
年間72万円新規投資
新NISAを埋めるのに25年かかる年間新規投資金額72万円の場合は、特定口座の商品を売って新NISAを前倒しで買うのがよいという結果になりました。
10年運用 | 20年運用 | 30年運用 | 40年運用 | |
年率2% | 22.3 | 28.4 | 8.8 | -18.6 |
年率3% | 34.2 | 47.5 | 22.4 | -16.7 |
年率4% | 46.8 | 70.6 | 45.8 | 1.3 |
年率5% | 60.0 | 98.7 | 82.7 | 45.9 |
年率7% | 88.7 | 173.4 | 217.6 | 287.0 |
年率10% | 138.0 | 351.0 | 698.7 | 1569.7 |
これより年間投資金額が少ない場合は特定口座の商品を売って、新NISAで買い直したほうが有利です。
新規投資金額が大きく、運用期間も長く取れる人は特定口座の資金の売却は慎重に
このように、それぞれの要素次第で新NISAに移動したほうがよいかの結果はかなり変わってきます。4つの要素のうち、収益率は予測が難しくはありますが、ある程度の幅を持たせて考えて判断していくしかなさそうです。
結果から言えるのは、新規投資金額が大きく、運用期間も長く取れる人は、特定口座の資金の売却は慎重に考えたほうが良いのではないかということです。この数年間、株高と円安でかなり利益が出ている商品を持っている方も多いのではないかと思います。
また、たとえば現在、損益率10%の商品と損益率50%の商品を持っている場合、損益率10%の商品だけを売却して新NISAに入れるという方法ももちろん有効です。今回は損益率がマイナスの商品については検討していませんが、そういうものがあれば損益がプラスの商品とぶつけて新NISAに移動しましょう。
個人的には、途中に書きましたが年間投資金額225~300万円の間になるので、損益率20%未満のもので、利益の少ないものから順に新NISAへの移行をはかるつもりです。
記事では結果のみを掲載しましたが、もし計算に使ったExcelファイルを使ってみたいという方がいればSNSかお問い合わせフォームからご連絡ください。
ただ、私が自分の計算用に作ったものと同じで、かつよりキレイなファイルをニューロンズさんが以下の記事で配布していました。使い勝手はニューロンズさん作のものが素晴らしいので、個人的にはニューロンズさんの作ったものを使って検討するのがオススメです。
こんな天才が先に配布していると知っていれば自作なんてしなかった……。
コメント
大変興味深い記事でした。
妻が専業主婦でして、妻に贈与してNISA枠を埋めていくことを検討しております。110万円の控除の枠内で16,7年かけて贈与するに留めるのがいいのか、妻が贈与税を払う前提で110万以上の贈与をしてNISA枠をなるべく早く埋める方がいいのか(あるいはその中間なのか)、お考えのところがあればうかがいたいです。なお、妻に贈与しない分も、私の特定口座で同商品での運用を予定しています。
ご返信が遅くなりました。具体的な背景がわかりませんが、変数が増えて結構複雑なことになりそうですね。恐れ入りますが、いま計算をする時間的余裕がないので正対したお答えができそうにありません。ただ年360万円投資できる金額の贈与(約420万円の贈与で約60万円を税金で取られる×5年)というのは相当に影響があります。仮に売却時課税のない損益率0%の商品を売って贈与したとしても、年率4%・30年の運用で出るメリットが165万円程度なので、今後の損益次第ですがNISA枠を最短で埋める選択はむしろ損になる可能性が高いと思います。また年310万円贈与(手残りとして290万円)までは贈与税率10%で、これだと約6年で埋められることになるので検討の価値はありそうです。これだと6年間で120万円に及ぶ贈与税を、NISAでの非課税メリットで回収できるかが分岐点になります。相続税までを考えれば、贈与税を払ってでも早くに運用開始するメリットがあるかもしれません。
ご返信ありがとうございます。
背景としては、私と妻が40歳前後でして、私分のNISAを年360万埋めても、私の特定口座で運用中の投信がまだ残るため、妻のNISA枠の活用を考えておりました。
大分考えが整理されました。310万ケースについて、20万納税分を運用していた場合の運用益も考えると更に複雑になりそうですが、改めて考えてみたいと思います。
記事、大変参考になりました、ありがとうございます。
さて、1点質問させてください。
現在、私は、5年間でNISAの枠を埋めるキャッシュがあり、特定口座で保有している株式は概ね100%以上の利益を出しているので、特定口座保有商品はそのまま、というのがセオリーかと思います。
が、このような状況で、株式と債権(特定口座で所有)のリバランスをする場合、どのようにするのが合理的でしょうか?NISA拠出予定額で株式資産の買い付けを行わずに、債券の購入?あるいは、NISAは予定通り株式資産の買い付けを継続して、特定口座所有分を売却して債権の購入?
頭がこんがらがっています。
こんにちは。コメントいただきありがとうございます。資産も収入も十分で素晴らしいですね!
セオリーとしてはおっしゃるとおりです。
最近の状況だと、リバランスするなら株式を売って債券を買う方向ですよね。
リバランスの金額や将来の値動きによりますが、挙げていただいたうち後者は実質的に特定口座→NISAに株式を移しているのと同じなので、課税されるという観点でやや勧めにくいです。
まずは年間360万円のNISA枠を新規投資資金で株式・債券で埋めていき、いっぱいになった6年目からはNISA枠内がなるべく株式になるように債券→株式とリバランスの際に置き換えていく(つまり債券を特定口座に移す)手が有効ではないかと感じました。
ただ変数が多いため、直観的なご回答であることにご留意ください。
返信ありがとうございます!大変参考になりました。
やはり、特定口座保有資産は極力いじらない方がいいってことですよね。
一旦、株式だろうと債券だろうとNISA枠を埋めていく方針で行こうと思いますが、特定口座で保有している株式が多いもので、買い付けでリバランスする場合、ことによっては、NISA枠で債券しか買えない年が出てきそうです。「非課税であることを最大限に活かすなら、とにかく早く株式で埋める。」という頭があるので、NISA枠債券だらけっていうのも、感覚的に勿体ない気もしますが…。
入金力が大きい年には、特定口座で債券買うようにして調整してみます。
こちらこそ、大変勉強になる視点でした。
株式と債券の両方を買う年は株式から優先してNISAに入れていくのは間違いないですね。
株式は年率4%、債券は年率2%のような条件下で推定すれば、中長期的には税金を支払ってでも株式をNISAに入れたほうが有利になると思います。
どこに分岐点があるのか、時間のあるときに詳しく検討してみたいと思います。
返信ありがとうございます!
こまかいこというと、特定口座のほかに、旧一般NISA,旧積立NISAにも保有商品があり、さて、どうやってリバランスするのが合理的か余計に悩んでいます。
まぁ、もっとおおらかに考えてもよいのかもしれませんが。