20代の一人暮らし・実家暮らしとお金の話,お金以外の話

200823 20代の一人暮らし・実家暮らしとお金の話と,お金だけで決めたくない話 生活費
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人生において住宅費は最も大きい支出の一つです。私は自宅を購入してしまいましたが,住宅費については「持ち家にするか,賃貸にするか」などの議論がよくおこります。

住宅費は費用そのものが大きいだけでなく,生活の基盤になる支出でもあります。そのため,お金の面だけでなくいろいろな視点から意見が出てきますね。

この記事をまとめたきっかけは以下のツイートです。

ツイートの通り,住宅費については「家を買うか,借りるか」の二元論ではなく,そのほかの選択肢もあります。とくに20代で独身のうちは次の見出しでに紹介するように,いろいろなパターンがあります。

それによって住宅費のかかり方も変わってきます。ツイートにあげた同期は私よりも投資金額は少なく,つみたてNISAとiDeCoを実践する程度です。それでも生活費が私よりずっと少ないので,資産額は私よりずっと多いという状況になっています。

他人と比較しても仕方ないのですが,正直に言えばお金の面からはうらやましい気持ちはあります。

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20代の居住形態

それでは,20代の学生・社会人がどのような住み方をしているか,私とその周りにいる人の居住形態をざっと箇条書きにしてみました。

  • 実家で親と居住
  • 親族や友人の家に居候
  • 社員寮や借り上げ社宅で生活
  • 賃貸物件を自己契約
  • 友人と賃貸物件をシェアハウス
  • 自宅を購入

これを見るだけでも,「持ち家か賃貸か」をはるかに超えた多様な住み方がありますね。

私は「社員寮や借り上げ社宅に一人暮らし」以外のすべてをやったことがあります。どれも貴重な経験になっています。

お金の面では,住宅費を負担しないほうが明らかに恵まれている

これらをお金の面だけで比較すると,住宅費を負担するグループと,直接は負担しないグループにわけられます。

具体的には,「実家で親と居住」「親族や友人の家に居候」が住宅費を直接は負担しないグループ,後半の3つが負担するグループ,3つ目の社員寮・借り上げ社宅は,一般的には一部を負担することになるでしょう。

ツイートに書いたように,実家暮らしを選ぶほうがお金がたまりやすいのは間違いありません。以下の記事にあるように,20代の実家暮らしの人は平均して毎月3.7万円程度を生活費として家に入れているようです。しかし,これには住宅費・光熱費・食費・日用品費,場合によっては通信費や自動車などにかかる費用なども入っています。実家を出て生活している人に比べてかかる費用は少ないでしょう。

◆実家にいくら入れるかを周りの人に聞いてみました。

お金をいくら家に入れるか――実家暮らし社会人に実際に聞いてみた
20代で独身の人と話してよく話題になるのは,「実家暮らしの社会人は,家にいくらお金を入れるか?」というテーマです。収入のうち,比較的自由にお金を使えるのが20代独身者のお金の事情で...

簡易的な試算に過ぎませんが,一人暮らしで住宅費・光熱費・食費・日用品費・通信費などをすべて負担すれば,少なくとも月に8~10万円は支出が増えてしまいます。住宅費はエリアによって異なりますが,光熱費・食費・日用品費・通信費などは月に5万円くらいはかかってきます。

実家にいれば,このお金をスキルアップや趣味に投じたり,金融資産に投資したりする選択肢も生まれることでしょう。スキルも経験も金融資産も,投資は早くから始めることが大成する鍵です。

仮に実家暮らしで毎月5万円を金融資産に投資できれば,22~29歳の8年間で480万円の元本を作って,そこから数十年間運用できることになります。仮の単純計算として,65歳までに年率平均2%で運用したとすれば1000万円程度の規模になります。

年率2%で増えた場合

実際の資産運用ではこのようにきれいなカーブで資産が増加することはありません。また,売却時の税金も考慮していない試算です。ですが,多くの株式に広く分散されたファンドなどで運用すれば,30年以上にわたる長期投資では元本を大きく割り込むようなことはないと考えてよいでしょう。

お金だけでなく,食事や洗濯,掃除といった家事負担にかかる時間なども大きく異なります。勉強などはある程度まとまった時間があるほうがよいので,ここにも差があるように思います。

どう住むかはお金以外のメリットとデメリットも考慮して

しかしながら,全員に実家暮らしを勧めたいかというと私はそうは思いません。

お金や時間の面だけでなく,「住む」という行為は生活に直結する性質があり,どの方法も利点と欠点がありました。

実際,私自身がいろんな住み方をしてきました。単純なお金の出入り以外の面で感じたことなどを,経験を踏まえて簡潔に書き連ねていきたいと思います。

たとえば,実家暮らしはすでに述べたように,最も低コストに住む方法の一つです。

それだけでなく,生活面でもメリットはいろいろあります。家事を分担できるほか,話し相手には困りませんし,一般的には一人暮らし物件よりも家族世帯向け物件のほうが質はよいです。そして家族が集めている本や設備などを自由に使えるという利点もありました。

ただし,居住地や物件を自分で選べないところが欠点です。場合によっては職場やお気に入りの場所が遠く,移動に時間と労力がかかります。また,共同生活への協力が求められますし,ときにはけんかもするでしょう。

そして,家を出てしまった私が思うのは,両親と過ごせる時間があるということだけでもとても価値があります。いつでも連絡をとりあえる時代ですが,人生であと何回両親と会えるだろうか,と考えるとさみしい気持ちにもなります。

続いて,親族や友人の家に居候した場合は,実家同様に家賃はかからず,親族や知人と家族同様に関係を深められる良いところがありました。

しかし,どうしても気を遣うところはありましたし,家によって暗黙のルールが異なるので,それに慣れるまではひと苦労でした。

賃貸物件での一人暮らしはなにぶん気ままで,好きに暮らせることが利点です。必要に迫られるため,さまざまなサービスや商品の契約や生活のコツを通じて,社会の仕組みを知ることもできました。実家暮らしのころは知らなかった苦労も身をもって知ることになりました。

一方で,あらゆることを1人で回さなければならないため,体調を崩したときなどは大変でした。また,話し相手がいないと耐えられない人にはあまり向いていないかもしれません。

同じ賃貸物件暮らしでも,シェアハウスした場合は同居人との共同生活があって楽しかったです。性格が合うことが前提になりますが,家族とは違った気楽さがありました。友達と旅行したときのようなおもしろさが毎日続きました。

困ったのはお金の管理です。家賃や光熱費などの固定費は折半しやすいのですが,食材や日用品などの随時購入するようなものは事前に精算方法を決めておかないとうまくいきません。また,家事負担なども含めて,負担を完全に同一にするのは難しいところもありました。

そして今は自宅を購入しました。家族2人で住んでいますが,将来的にどのように住んでいくかはまだ試行錯誤の最中です。

賃貸契約では退去時費用などで少し揉めた経験があるので,そういった利害関係者が少ないのはよい点です。

◆購入に至った理由はこちらの記事にまとめています。

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簡単にまとめただけでも,住み方はさまざまであることと,それぞれの利点と欠点,そして得られる経験や教訓があることがわかります。私にとってはどの住み方も見識を広げるもので,お金には代えがたいことでもありました。

気になる方法があれば,身軽な20代のうちに試してみるのもおすすめです!

◆この本には実家暮らしと一人暮らしで生活費が違うことがなまなましく描写されたシーンがあって,本書の真のメッセージとは別に,ここだけでも面白かったです。

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