「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」の分析と評価(三菱UFJ国際投信)

インデックス投資
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この記事では,人気の投資信託「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」の基本情報と評価についてまとめます。

なまずん

記事執筆時点で,先進国株式クラスの投資信託において,特にコスト面で優秀なファンドの一つです。私も積立購入しています。

業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」とのコンセプトのもと,純資産総額の増加に伴って信託報酬が低減されていく仕組みには好感できます。

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eMAXIS Slim 先進国株式インデックスとは

「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(以下,eMAXIS Slim先進国株式)」は,大手運用会社の三菱UFJ国際投信が運用するインデックス型の投資信託です。2017年2月27日に設定されました。金融庁が指定するつみたてNISA対象ファンドの1つです。

人気ファンドがそろう「eMAXIS Slim」シリーズの一つで,「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」に次ぐ純資産総額を持つファンドです。

ベンチマーク:MSCI kokusai Index

米国MSCI社が提供する株式インデックス「MSCI Kokusai Index(MSCIコクサイ インデックス)(円換算ベース,配当込み)」に連動する投資成果をめざします。

先進国24か国を対象とし,各国における株式市場の時価総額の90~95%程度をカバーします。為替の変動に対するヘッジは行いません。

主要な組入銘柄は以下のとおりです(交付目論見書(2020年3月17日)より)。

eMAXIS Slim先進国株式の組入上位銘柄

24か国の株式を組み入れるファンドですが,上位10位までのうち9銘柄は米国が占めていますね。世界の株式時価総額の半分以上を米国が占めるため,米国株のリターンが全体のリターンに大きな影響を及ぼします。

信託報酬等のコスト:信託報酬は業界最低水準

信託報酬は業界で最低水準となる年率0.0930%(税抜)以下。純資産残高500億円を超える分については0.09145%,1000億円を超える分については0.08990%です。

2019年7月8日に純資産残高500億円を突破し,信託報酬率として年率0.0930%を下回るようになりました。2020年7月13日時点では,純資産総額は1100億円を超え,計算上では信託報酬が年率約0.0920%です。

これにより,信託報酬では業界で単独で最安となります(2030年までの期間限定で信託報酬ゼロの「野村スリーゼロ先進国株式投信」を除く)。

これまで,他社の先進国株式インデックスファンドの信託報酬引き下げに追随する姿勢を見せ,過去幾度にわたって信託報酬を引き下げてきた実績もあります。

◆参考:2019年6月には,国内の投資信託で初めて信託報酬率が0.1%(税抜)を割り込む水準となりました。

「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」が信託報酬を引き下げ――ライバルファンドより早い切り下げを敢行
なまずんです。 2019年6月3日,人気インデックスファンド「eMAXIS Slim先進国株式インデックス(以下,eMAXIS Slim先進国株式)」を運用する三菱UFJ国際投信が...

◆最近も信託報酬が下がりました。「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」が先行して信託報酬を発表し,それに追随するパターンが多いです。

なお,購入時・解約時にかかる手数料等はありません。

純資産残高:1105億円

2020年7月13日時点で,純資産残高は1105.05億円に達しています

また,「eMAXIS Slim先進国株式」は同社の他ファンドとマザーファンドを共有しています。マザーファンドの規模は4373億円です(2020年4月時点)。

設定以来の推移:純資産総額は順調に増加

運用開始からのチャートと純資産総額です(ファンドページより)。

eMAXIS Slim先進国株式の基準価額と純資産総額(2020年7月)

コロナウイルスによる経済への影響で,2020年3月に純資産総額が一時的に大きく減少しましたが,全体として純資産総額はきれいな上昇傾向です。

しっかり純資産総額が積み上がる理由は,積立購入する人が多いからでしょう!

取扱販売会社:ネット証券を中心に17社

ネット証券大手3社(SBI証券,楽天証券,マネックス証券)を含む17社三菱UFJ国際投信 eMAXIS Slim紹介ページより)。ネット証券を中心に販売し,直販会社であるmattocoでも販売しています。

しかし,直販のメリットはほとんどなく,ネット証券から購入するほうがおすすめです。

iDeCoでは,SBI証券の「セレクトプラン」とマネックス証券などにて購入可能です。

類似ファンドとの比較・評価

ベンチマークとするMSCI-kokusaiインデックスはとても人気の高い指数です。多くの運用会社が類似商品を販売しています。

低コストで投資に適したファンドとして金融庁が認可した「つみたてNISA対象ファンド」だけでも,MSCI-kokusaiインデックスに連動するファンドは17本もあります。

そのうち,eMAXIS Slim先進国株式は信託報酬率の安さで第2位(期間限定の野村スリーゼロ先進国株式投信を除けば第1位),純資産総額の大きさで第2位の優秀なファンドです(2020年5月31日時点)。

信託報酬が低いこともあり,基準価額の推移という絶対的な比較においても,これまでの運用状況は他社ファンドと比較しても良好です。これもeMAXIS Slim先進国株式の強みです。

◆詳しくはこちらの一覧記事をご覧ください!

【2020年12月・つみたてNISA対象】インデックスファンド比較・一覧【過去リターン・信託報酬,実質コスト,純資産総額など】
この記事は2020年版です。最新版は以下のページからどうぞ。 この記事では,つみたてNISAで購入できるインデックスファンドのリターン・信託報酬・実質コスト・純資産総額・運用期間な...

投資家からの評価

投資家からの評価は純資産総額に現れます。そのため,純資産総額が非常によく伸びているeMAXIS Slim先進国株式は多くの投資家からの支持を得ていると言えます。

純資産総額の伸びでは,純資産総額が最も大きく,これまで先進国株式クラスで最大の人気を誇っていた「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式」を上回るペースで資金流入が続いています。

2019年7月12日 2020年7月13日 1年間での変化
eMAXIS Slim先進国株式 507.52億円 1105.05億円 +597.57億円
ニッセイ外国株式 1282.61億円 1802.21億円 +519.60億円

その人気の背景には,「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」というコンセプトが,20年間の非課税投資枠があるつみたてNISAとの相性が良いこともあります。

つみたてNISA口座で購入したファンドは長期保有する前提ですので,保有しているファンドの信託報酬が将来にわたって切り下がっていくという考え方は投資家のニーズに合っているのです。これが,このファンドを選ぶ最大の理由です。

投信ブロガーからの評価

投資信託を継続的にウォッチしている投信ブロガーからの評価も高く,投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2018(FOY2018)」(2019年1月)にて第1位,「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2019(FOY2019)」(2020年1月)にて第3位を獲得しました。

なまずん

2回とも,私も票を投じました!

こちらも,評価される最大の理由は「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」という理念です。

これまでのところ,eMAXIS Slim先進国株式だけでなく,シリーズ全体において,信託報酬率は業界他社の最低水準のファンドとそろえるよう改定してきた実績を評価する声もあります。

◆FOY2019はeMAXIS Slimシリーズが上位を独占!

【投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2019】上位入賞ファンドとその特徴!
2020年1月17日(土),東京都品川区で「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2019(FOY2019)表彰式」が開催されました。今年で13回目を迎えます。終...

つみたてNISAでのおすすめファンドとして

つみたてNISAの開始という環境要因も大きく後押しして,eMAXIS Slim先進国株式は,先進国株式クラスのインデックスファンドの最有力ファンドの1つとなりました。

他社ファンドが信託報酬を引き下げる流れに乗ってきた実績と,これからも追随するとした戦略は素晴らしいです。現在の投資環境においてはコスト面で最優秀といえるファンドの一つです。

私もたくさん購入しています! 買う理由がたくさんあるファンドです。

◆eMAXIS Slim先進国株式のライバルの「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式」についての私の評価はこちら。

<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドの分析と評価(ニッセイアセットマネジメント)
この記事では,継続的に信託報酬を引き下げてきたことで人気の投資信託「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」(以下,ニッセイ外国株式)の基本情報と評価について...

◆私たちの積立投資計画においても,中核をなすファンドです。

2020年8月からの積立投資計画――投資資金を増額し,資産配分を再検討
こちらのツイートの通り,うなぎんがiDeCoの拠出を開始しました! うなぎんがiDeCoデビューしました。おめでとうございます🎉 楽天証券で、たわらノーロード先進国株式と三井住友・...

◆投資家がファンドを消費者目線で評価する「FOY2018」の参加録です。

あこがれのFOY2018に参加しました
なまずんです。 2019年1月13日(日),東京都品川区で「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2018(FOY2018)」が開催されました。今年で12回目です...

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