私は20代から家計管理・資産運用について最低限の知識を持つことが大切だと考えています。これは,ブログやSNSでの発信の根本にある考え方です。
投資はリスクを伴うので,投資をするかどうかは価値観の問題であり,人によって判断は異なってよいと思います。しかし,家計を把握し,お金を人生のなかでうまく使っていくことは誰にとっても共通して大切です。
それは,就学,就職,結婚,退職といった大きなライフイベントから,日用品の買い物や趣味といった日常生活に至るまで,人生は選択の連続であり,その選択にお金が少なからず影響を及ぼし得るからです。
また,その選択の質を上げ,お金を有効活用することで,今度はお金によって人生の選択肢を広げることができます。
お金に振り回される人生ではなく,お金を有効に使って人生の可能性を広げるためにはどのような視点を持つべきでしょうか? この記事では,この問題に関する私の考え方をまとめました。
家計管理・資産運用はお金とうまく付き合う第一歩
まず,家計管理と資産運用は,人生においてお金とうまく付き合うために最重要です。何を節約するか,どんな投資商品を購入するかといった個別の論点の前に,お金をコントロールするための大枠を理解しなくてはいけません。
それは,「今使うお金」と「将来に送るお金」を適切に配分し,「将来に送るお金」を貯蓄・投資に回していくという考え方です。
前半部分(「今使うお金」と「将来に送るお金」を適切に配分)が家計管理,後半部分(「将来に送るお金」を貯蓄・投資に回していく)が資産運用です。
家計管理については,金融中央委員会のお金の情報サイト「知るぽると」の金融用語解説に以下のように説明されています。
家庭経済の諸活動全体を管理すること。
家族および個人の欲求充足とよりよい生活の創造を目的に,所得,消費,貯蓄,負債等を把握し,それらのバランスをとることにより生活の安定・向上を図る手段。
資産運用については,日本証券業協会の運営するウェブサイト「投資の時間」にて次のように述べられています。
資産運用には,貯めることを重視した 「貯蓄」と,ふやすことを重視した 「投資」があります。
繰り返しになりますが,基本的な考え方をまとめると次のようになります。
- 家計管理:現在のお金周りの情報を把握する
→「今使うお金」と「将来に送るお金」をバランスよく配分し,今と将来の生活の質を上げる - 資産運用:「将来に送るお金」を貯蓄と投資に分ける
→必要に応じて貯蓄し,投資で増やすことで,資産を将来に送る
20代から考えたほうがよい理由
それでは,なぜこれらを20代から考えたほうがよいのでしょうか?
その理由は,人生が長くなったからです。人生の各ステージが延びたことで,投資できる期間が長くなったという大きなメリットがあります。投資期間が長くなればなるほど,一般的にリターンは高まります。
また,家計管理・資産運用は人それぞれのやり方があるので,失敗しても取り返しやすい20代から試行錯誤し,自分なりの形を見つけていくことが大切だからです。家計管理や資産運用は万人向けの正解がない,自分で歩む孤独な道でもあります。
さらに2点,強調したいポイントがあります。
- 老後資金の準備の重要性が増してきた
- 長期投資の環境が整ってきた
老後資金の準備の重要性が増してきた
人生の三大支出の一つである老後資金は,現代の労働者にとってどのように準備するか悩ましいお金です。
かつては,一般的なサラリーマンであれば,60~65歳まで勤め上げた会社の退職金+年金でその大部分を準備できました。しかし,終身雇用の時代が終わり,年金も今の受給世代よりも少し減る可能性が高いのが私たちの現状です。
そのうえ,平均余命が延び続けていることも不安の一因になっています。寿命が延びることは喜ばしいものの,それだけ老後資金が必要となる期間が延び,準備すべき総額も増えていくのです。
大金を短期間で準備するのは難しいです。割り切って準備を早くから進め,長い時間をかけて準備したほうが楽でしょう。
長い時間をかけられるということは,投資で増やせる可能性もそれだけ高まります。老後が遠くなったことは,行動する人にとってはチャンスでもあるのです。
十分な資金が整えば,退職時期を早めるといった調整も可能です。そこに価値を見いだしている人も多いですね。
長期投資の環境が整ってきた
こういった状況に気づいた人から準備を始めています。
個人年金である個人型確定拠出年金(iDeCo)は2019年10月末時点で140万口座を突破し,20年間の非課税投資が可能なつみたてNISAは2019年9月末時点で170万口座を超えています(iDeCo公式サイト 業務状況,金融庁 NISA・ジュニアNISA利用状況調査より)。
投資環境に目を移してみると,以前と比べて,今はかなり恵まれていることがわかります。
iDeCoやNISA・つみたてNISAといった国の制度だけでなく,以下のような環境に簡単にアクセスできるようになりました。
- 場所と時間を選ばず利用できるネット証券の登場
- 低コストインデックスファンドの登場
- 海外株などの海外資産へのアクセスの向上
また,投資以前の家計管理でも,リアルタイムに収入・支出・資産・負債を把握できるマネーフォワードなどのサービスが登場しました。
こういった仕組みがあるのですから,できる範囲で活用しない手はないでしょう。そのうえ,家計管理や資産運用を収集できる良書や実践ブログ,SNSなどの情報も豊富な時代です。
老後までの時間がたくさんある20代のうちに少しずつでも始めることで,自分なりのやり方を見つけるチャンスも広がります。
収入・支出・資産・負債・余剰資金について考えていく
こういった背景を踏まえて,家計管理・資産運用をどのように実践していくかについては,当ブログの個別記事の中で随時発信しています。
参考までに,私は,収入・支出・資産・負債・余剰資金について以下の点に留意しながら生活しています。
【収入:把握と拡大】
・収入金額の把握
・労働:スキルを習得し,時間単価を上げる
・副業:本業で得た知見や趣味の活用
・投資:インカムはなくても,投資信託内での再投資による規模の拡大
【支出:把握と削減】
・支出金額と費目の把握
・固定費の適正化(おもに削減)
・手間の少ない節約術
・ポイント還元の活用
・ふるさと納税,NISA・つみたてNISA,iDeCoなどの制度活用
【資産・負債:状況の把握】
・保有資産残高の把握
・負債の返済計画の把握
【余剰資金:貯蓄と投資】
・生活防衛資金の準備
・自身のリスク許容度の把握
・低コストな投資信託による長期投資
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