お金持ちの思考回路を分析した本『金持ち父さん貧乏父さん』

書評

経済的自由に到達するため,全力で頑張り中のなまずんです。
今さらながら,『金持ち父さん貧乏父さん』(改訂版,ロバート・キヨサキ著,白根美保子訳,筑摩書房)を読みましたので,まとめ記事にしたいと思います。

全世界で1000万部,日本国内でも100万部を突破する名著です。お金持ちは何をどう考えるのかを知りたい人におすすめです! すでに読んだことのある方はぜひ,一緒に本書の魅力をおさらいしましょう!

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繰り返し読みたい一冊に!

初版発売の2000年は小学生だった私。でも,柔らかなイラストが配されていたことを何となく覚えています。いつか読もうと思っていたものの,手に取る機会がないまま18年が経過。

今回,購入まで至った理由は2つです。1つは他のブログで投資本の一冊としてオススメされていたから。もう1つは友人の知人のビジネスオーナーから勧められたからです。

お金持ちの思考回路を分析した本として,今後も繰り返し読みたい本になりました!
金融リテラシーのある人に一歩近づきました!

著者・訳者について

著者:ロバート・キヨサキ氏

著者のロバート・キヨサキは1947年生まれの米国人で日系4世。投資家,実業家。主に不動産で資産形成しました。学校教育ではお金のシステムを学べないと考え,人々への金融教育を重視した「キャッシュフロー」というゲームも考案。ウェブページ

訳者:白根美保子氏

訳者の白根美保子氏は翻訳家でシリーズを通して翻訳を行っています。訳本でありながら,「懸命に働く」と「賢明に働く」など,日本語での工夫もあり,楽しく読み進められました。

本書の構成

目次

「教えの書」「実践の書」の二部構成です。教えの書には6つの教えが,実践の書には3つの手掛かりが書かれています。

◎教えの書
第一の教え 金持ちはお金のためには働かない
第二の教え お金の流れの読み方を学ぶ
第三の教え 自分のビジネスを持つ
第四の教え 会社を作って節税する
第五の教え 金持ちはお金を作り出す
第六の教え お金のためではなく学ぶために働く

◎実践の書
実践その一 まず五つの障害を乗り越えよう
実践その二 スタートをきるための十のステップ
実践その三 具体的な行動を始めるためのヒント

登場人物

ロバートの父「貧乏父さん」と,親友のマイクの父「金持ち父さん」の2人が主な登場人物です。「金持ち父さん」は創作だとの説もあります。

●金持ち父さん
ロバートの親友の父。いくつものビジネスを持っていた。ロバートは9歳のときに出会い,金持ち父さんから金融リテラシー教育を受けた。本書は金持ち父さんの教えが軸になっています。

●貧乏父さん
ロバートの父。米国州政府で高給の仕事を得ていた。しかし,最終的にはお金に対する考えの不足から,資産形成できなかったという。

金持ち父さんだけでなく貧乏父さんも,世間的には「成功者」でした。貧乏父さんは学校では優秀な成績を収め,役職の高い高給の仕事に就いていたのです。それなのになぜ,お金に苦しむ人生を送ってしまったでしょうか?

お金を働かせるか,お金のために働くか

本書の最大のテーマは,お金に対してどのような思考回路を持つかです。お金を手元に残し,増やしていくにはどうすべきか。本書ではそれについて,金持ち父さんと貧乏父さんの考え方の違いを比較しながら話を進めています。

金持ち父さんと貧乏父さんの考え方の違い

金持ち父さんは人を雇い,自分のビジネスを展開していました。貧乏父さんは米国州政府で人を動かす仕事をしていました。どちらも立派な人だったのですが,お金についての考え方は全く違ったのです。
例を本書p12~15などから表形式で抜粋します。

 金持ち父さん貧乏父さん
収入比較的多い比較的多い
最終的な資産裕福ほとんどない
お金とはお金は力大切ではない
お金の見方お金不足が悪の根源お金への執着が悪の根源
お金の話大いに奨励すべきでない
運用方針リスクを取る安全第一
買いたいものはどう買うか自問する買う金はないと言う
会社についていい会社を買えいい会社に入れ
税金について生産者を罰するもの貧困者のために金持ちはもっと払うべき
持ち家について大きな負債最大の資産
自分への投資まず自分に余り金で
教育について重視していた重視していた
教育内容お金を働かせるにはよい仕事に就くには

全く違いますね。本書はこれらの違いを丁寧に解説していく構成です。

金融リテラシーのない人は,貧乏父さんと同じ道を歩みがち

中流以下の人間はお金のために働く。金持ちは自分のためにお金を働かせる(p43)

この考えが資産形成できるかどうかの境として紹介されています。そして重大なことに,一般的な人は貧乏父さんと同じ道を歩みがちです。

その理由について金持ち父さんの言葉を借りれば,「学校ではお金持ちになる方法を教えないから」。学校は仕事に就くための専門知識を教えるところであり,お金を働かせて収入を得る方法について学ぶことができないといいます。

まずはお金について勉強しなければならない

金持ちになりたければ,お金について勉強しなければならない(p75)

教えはとてもシンプルです。本書でのロバートの主張では,学校で教えるのは,お金のために働く方法。自分のためにお金を働かせるための教えを一部,紹介します。

資産と負債の違いを知る

金持ちは資産を買う
貧乏人の家計は支出ばかり
中流の人間は資産と思って負債を買う
(p102)

「第二の教え お金の流れの読み方を学ぶ」の軸は,資産と負債の違いを知ること。

例えば,持ち家を金持ち父さんは「負債」と考え,貧乏父さんは「資産」と考えていました。もちろん,貸借対照表で建物は資産に分類されるので,貧乏父さんの考えは間違ってはいません。ですが,お金持ちになるための金融知識としては間違っているのです。

金持ち父さんが指摘するのは,そのような「資産」を手に入れることと引き換えに,「ローン」という負債も手に入れてしまうこと。すると給与収入はそれらの返済に充てられ,そのために手元に残るお金はほとんどなくなり,仕事を失った瞬間,家計が回らなくなる事態になってしまうのです。

実際に貧乏父さんは収入が増えた分,「資産」である家などを買い,ローンの返済で家計を圧迫,手元に残るお金がほとんどなくなってしまいました。

金持ち父さんは,収入を生み出す,真の「資産」を手に入れる必要があると説いています。

お金を生む,真の資産とは

金持ち父さんが買うことを勧める真の資産は何でしょうか。「第三の教え 自分のビジネスを持つ」(p109)に7つ紹介されています。

・自分がその場にいなくても収入を生み出すビジネス
・株
・債券
・収入を生む不動産
・手形,借用証書
・音楽,書籍などの著作権,特許権
・その他,価値のあるもの,収入を生み出すもの,市場価値のある物品など

これらの資産は収入が発生する真の資産です。このスキームづくりこそが金持ち父さんの考える「自分のためにお金を働かせる」方法です。

ロバートは例え労働者だった時代でも,資産を買い,蓄えることを欠かさなかったといいます。ロバートの場合は不動産を購入するために一時は一生懸命働きました。不動産からの収入は次第に大きくなり,そのお金を再投資することで,さらに大きな収入を得る道へ進んだのです。

若いうちの集中投資を推奨

実践の書「実践その一 まず五つの障害を乗り越えよう」では,まず乗り越えるべき5つの障害を挙げています。

・お金を失うことに対する恐怖心
・悪い方にばかり考えて臆病になる
・忙しいことを理由に怠ける
・自分への支払を後回しにする悪い習慣
・無知を隠すために傲慢になる

第一の障害として挙げられている「恐怖心」は,お金を失うことに対するもの。これに関して,ロバートはこう言います。

損をするのが楽しくてたまらないという人にお目にかかったことがない。また,ひと財産築いたひとで,そこに至るまでに一度も損をしたことがないというひとにもお目にかかったことがない。一方,これまでに投資などで一セントたりとも損をしたことがないという人で,いまお金に困っているという人には数え切れないほど出会っている(p184)

「お金を持たないことは恐怖の感情である」という言葉は別のページ(p58)でも紹介されています。仕事に就くことはお金がないことに対する短期的な解決策でしかなく,給料が増えるだけではお金が足りないことは根本的には解決されない。

恐怖を踏まえ,先に進むのか。恐怖にただおびえ,何もしなくなってしまうのか。ロバートは,複利の力がより多く働く,「若いうちに始めること」を推奨しています。

また,金持ちをめざすのであれば「バランスよりも一点集中」を勧めています。ロバートは分散投資では資産形成のスピードが遅いことを指摘し,「たくさんの卵をごく少ない数のかごに入れ,成功するまで突き進む」のが早道だとしています。一方で分散投資を完全に否定はせず,安全策を取りたい人は分散すべきだが,その代わり,なるべく早く始めるように述べています。

◆「お金を失うこと」への恐怖は,一時期話題になった「お金の若者離れ」の話題で私も同じように考察しています。

「お金の若者離れ」の真の背景は,世代間搾取ではなく「お金不足=死」という考えだ
一般紙に掲載された「お金の若者離れ」という投書が話題となりました。 Twitterで8万件以上のリツイートを集めています。 今日はこれを若者の立場から考察したいと思...

道を選び,学びを経験に変えたい人にオススメ

本書はお金持ちの思考回路を分析した本ですが,それだけでなく,人生訓も含んでいるように私は感じました。例えば,

一つの考えを単純に受け入れたり否定したりするよりも,自分で選択することのほうがずっと価値がある(p11)

人生から教訓を得て先に進んでいく(p38)

批評してまねるだけでなく,その構造までを知り自分の意思で選ぶこと,壁にぶち当たったとき,次にどうすべきか経験から学ぶこと。人生は学びの連続といいます。お金持ちの思考回路を学び,道を吟味した上で選択し,経験をさらなる学びに変えていきたい人にオススメの一冊です。

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次はぜひ,この本も!

◆金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント(改訂版)
収入の得かたは4類型にまとめられます。めざすべき「投資家クワドラント」に移動するために。まとめ記事も作りました。

収入を得るための戦略は4つに類型化できる:『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』
『金持ち父さん貧乏父さん』を読んでお金持ちの思考を学んだなまずんです。 続くシリーズの『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』を読みました。 内容をまと...
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◆不動産投資1年目の教科書
ロバート・キヨサキが財を成した不動産投資を日本で今行うなら。2013年刊で不動産市況は今と異なりますが,市況によって左右されない想定入居率,見込み経費率など,キャッシュフロー予測に必要なデータが記載されています。

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読後に:実践こそが重要

私自身,ある程度お金持ちの思考回路と同じところもありました。「持ち家=負債」とか,「自分のためにお金を働かせる」とか。経験知,伝聞知だったものが本書でさらに詳しく知ることができたのは大きな収穫でした。

一方で,たくさんの人がこの本を読んだのに,世の中にお金持ちはそれほど増えていないようです。私の周りはむしろ,貧乏父さんばかり。必死に働いて,給与収入でなんとか家計を回している人たちであふれています。

知ることはもちろん重要ですが,実践に移すことが真に大切です。そう思うと,ロバートの指摘の通り,失敗をカバーしやすい若いうちに始めるほうがよい。

この点については私も20代後半を迎えてひしひしと感じます。長期運用を想定した分散投資・積立投資は続けつつも,余裕資金でリスクを取った運用をもう少し広げてもよいかもしれません。

一方で,実践に当たってはロバートの生きた時代,国との違いに注意する必要があります。当時の米国は不動産ブームの波が押し寄せ,ロバートの不動産投資の成功はそういった時代の要素が強いこと,日米では税制が違うため,不動産の買い替えによる税の繰り延べといった方法をそのまま適用できないことなどが代表的なものです。

コメント

  1. ありひと より:

    私が読んで重要だと思ったことは
    1.資産と負債の定義
    2.理解しているということは絵にかけるということ
    という金持ち父さんの教えですかね。

    特に2については、B/Sの簡単なポンチ絵とお金の流れを表す矢印だけ表現された資産、負債の説明に衝撃が走ったのをよく覚えています。

    金融リテラシーに限らず、なにかをこんな風に説明できる父さんになりたいものです。

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